ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
グループリーグと違う戦い方を見せろ!
エジプト戦、関塚ジャパン2つの課題。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/08/04 13:20
永井には間違いなく厳しいマークが予想されるが、そこをどう利用することができるか。選手の対応力と共に、関塚監督の采配も問われる一戦となる。
いよいよベスト8の戦いである。
12年前、中田英寿、中村俊輔を擁し、「史上最強」と称されたシドニー五輪代表でさえも越えられなかった壁に挑むことになるが、エジプト戦は厳しい戦いになりそうだ。
グループリーグは、3試合2勝1分け、2得点ゼロ失点という成績で首位通過を果たした。この数字が示すように、このチームは堅守が軸。権田修一が「守備が生命線」と言うように、守備が選手の拠り所になっているからこそ安定した戦いができている。
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グループリーグを戦う上で堅守は、勝ち点を重ねるために最も効果的な武器だった。失点しなければドローでも勝ち点1を獲得することができた。だが、ベスト8以降、引き分けはない。守っているだけではなく、しっかりと点を取って勝たなければならない。
チームの懸念は、そこにある。
永井封じが徹底された時、いかにサイドを起点に攻撃ができるか。
グループリーグでの2得点の内訳は、セットプレー、カウンターからのゴールだった。もともと攻撃のバリエーションを多く持っているチームではないが、今回は永井謙佑の足を活かした一発狙いが多い。また、ボールを保持出来ている時は、中へ入ってくる攻撃が多く、サイドバックをうまく使い、えぐってクロスを入れていくというサイド攻撃が少ないのだ。 ホンジュラス戦は、ゴールを挙げることができなかったが、それは選手を入れ替えたからというより、崩す型とアイデアが足りなかったからという部分が大きい。得点力不足は、潜在的に日本が抱えていた課題でもあるのだ。
「得点が少ないのは気になっています。後ろが頑張ってくれているんで、もう少しラクな展開になれるように自分らが決めていかないといけない。チャンス自体は作れているんで、あとは決めるだけなんですけど、そこがなかなか……。それが課題っすね」
永井は、そう言った。
当然のことながら永井の足は警戒され、今後は厳しいマークがつけられるだろう。永井封じが徹底された時、サイドを起点にして攻撃を組み立て、いかにチャンスを多く作り、ゴールを決めるか。この試合は、チームの攻撃力が問われることになる。