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ザッケローニも注目の1トップ候補!?
“速いだけじゃない”永井謙佑の武器。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNaoki Ogura/JMPA
posted2012/08/01 10:30
モロッコ戦でゴールを決めた後の永井は、ピッチサイドの看板に駆け上がってガッツポーズ! スペイン戦で世界を驚かせた日本のスピードスターをチェックするため、モロッコ戦ではプレミアリーグから17チームものスカウトが詰めかけた。
五輪に備え、名古屋グランパスのキャンプで体を作った。
プロ2年目の永井は今シーズン、8得点を挙げてJリーグの得点ランキング上位に名を連ねている。好調を維持しているが、ここに来て調子を一段と上げてきている印象が強い。
日本を離れる前、彼はこう言っていた。
「Jリーグの中断期間にチーム(名古屋グランパス)でキャンプを張って、そこで自分を追い込んでしっかりと体をつくることができた。今は状態が上がってきていると実感しているし、これからもっともっと良くなってくると思う」
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高校までまったくの無名だった永井は高校、大学と居残りを含めて猛練習を積んできて、質を上げ、量をこなすことでのし上がってきたストライカーだった。プロになって練習量がコントロールされるようになってから調子を上げられない時期もあったが、2年目になってようやく自分のコンディションづくりを掴めてきた感がある。思うような調整ができているからこそ、好パフォーマンスにつなげられているように感じる。
ザッケローニが探す1トップの人材にはうってつけの選手!
モロッコ戦のあのゴールは、永井の評判をさらに上昇させた。
終盤まで落ちなかったスピード、集中力、そして瞬時に膨らませたゴールへのイメージ……。すべてが揃わなければ、ゴールまでは辿りつけなかったはず。「testa(頭)とgamba(足)はいい状態にしておかなければならない」とはザッケローニがよく使う台詞だが、まさに永井は試合終盤に入ってもこの2つをフル回転させ、ゴールに結び付けたわけである。永井のエッセンスが凝縮された一撃を受け、1トップの人材を探しているザッケローニのポイントも高くなっていることは容易に想像がつく。
速いだけが永井の凄さじゃない――。
3大会ぶりに進出した決勝トーナメントの舞台では欧州から、そしてザッケローニからこの永井謙佑に熱い視線が注がれる。