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ニューヨーカーはどう感じたのか?
イチロー、電撃トレードの○と×。
text by
渡辺史敏Fumitoshi Watanabe
photograph byGetty Images
posted2012/07/26 12:40
全米中から取材依頼が殺到しているイチロー。ヤンキースタジアムでの初お目見えは、現地時間で27日(金)の夜(日本時間で28日土曜日の朝)になる予定。
気になるのは……低迷する成績と年齢と左翼守備。
カーナン氏のコラムを掲載する一方でニューヨーク・ポストはやはりコラムニスト、ジョエル・シャーマン氏の「トレードは名前だけがビッグ」というコラムも載せているのだ。
メジャー通算打率が3割を超えているなど、イチローは素晴らしい活躍を見せてきたが既に峠を越えた選手だ、という視点に立ったもの。
今回のトレードと同じように、2008年のトレード期限直前に獲得したものの、期待したような成績を残せなかったイバン・ロドリゲスと同じような失敗に終わるのではないかというのである。
さらに同紙は「沈みゆくスズキ」と題して、同時期での通算成績と今シーズンの成績を対比させて掲載し、いかに力が衰えているかを示しているからかなり辛辣だ。ただ、今シーズンの成績が以前ほど良くないことはポジティブな記事のほとんどでも指摘されている点ではあるが。
さらに23、24日と移籍後もマリナーズ時代と同じ右翼での出場が続いたため目立っていないが、今回の移籍でイチローが期待されているのは右翼ではなく左翼の守備である点を問題視する声も多い。
現在怪我で戦列を離れている本来の先発右翼、ニック・スウィッシャーが戻ってきた時、イチローは左翼に回ることを受け入れた上で移籍に合意したとみられているのだ。その際、得意な守備に不安が出るのではと考えられているのである。
「スズキとマツイのキャリアはさらに絡み合う」
さて、移籍報道も少し落ち着いた24日のニューヨーク・タイムズが興味深い記事を掲載していた。
「スズキとマツイのキャリアはさらに絡み合う」という日本に精通したケン・ベルソン記者による記事だ。もちろんスズキはイチローで、マツイは松井秀喜のことである。
ほぼ同じ時期にMLBで大活躍し、共にヤンキースでのプレー経験を持つこととなった2人の日本人スター選手について、その違いと関係性を紹介したものだ。