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バッテリーが怖がる“次打者の陰”!?
巨人の打線組み換えが奏功した理由。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2012/07/24 10:31

バッテリーが怖がる“次打者の陰”!?巨人の打線組み換えが奏功した理由。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

前半戦を終えて、打率.307、出塁率.414でリーグトップの成績を残した阿部。得点圏打率も.348でリーグ2位と、勝負強さを遺憾なく発揮している。

4番・村田が覚醒したのには後ろに控える阿部の助力が。

 先日までセ・リーグただ一人の3割打者だった阿部は、開幕からコンスタントに安打を打ち続けてきている。4番を打った4月(3月の2試合を含む)の打率は3割2分5厘。5番に入った5月も3割1分6厘、6月が3割3分8厘と高アベレージを残している。

 一方の村田は5番に入っていた4月は2割4分4厘と低迷したが、5月は3割6厘と原監督の4番抜擢に応える結果を残している。ただ、もう少し詳細に見てみると、阿部と4、5番コンビを組むようになった8日以降の5月成績は3割1分2厘と急上昇。6月も3割3厘と3割以上のアベレージをキープしている。

 結果的には村田が4番に座って巨人打線は活性化した。ただ、その村田を活性化させたのは、実は後ろを打ってプレッシャーを引き受けている5番・阿部の存在だということなのだ。

守備と打撃でチームを引っ張る、オンリーワンの存在感。

 捕手であり、打線の核となっている今の立場を阿部自身はこう語っている。

「リードももちろんですけど、点を取ることも投手をサポートしていく上で大きな力となるはずですから。(捕手を務めながら打線の中軸を打つことは)僕にとってはそれほど大変なことでもない。ただ、守備と打撃を切り離して、打てないときには守って、粘っていけるようにすればいいと思っています」

 だが、その一方で原監督は言う。

「今の巨人は選手層も厚くなって、主力にケガ人が出ても、それはみんなでカバーできるようになっている。ただ、阿部が長期で欠場したら、その代役だけはいない。それぐらいにチームの中で、彼の存在は大きいものだということです」

 独走態勢に入ったかにみえる巨人。オールスター直前の戦いぶりを見る限り、後半戦もこの勢いで突っ走りそうだが……。ただ一つの死角は、大黒柱・阿部のケガということになるのかもしれない。

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