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横浜の“振り切り男”石川雄洋。
アグレッシブ過ぎる1番打者の魅力。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/05/19 12:40

横浜の“振り切り男”石川雄洋。アグレッシブ過ぎる1番打者の魅力。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

リーグトップの内野安打を生みだす粘りの打撃と俊足。

 どれだけ速いのか? と問われたとき、このような場合、単純に盗塁数だけを挙げても説得力に欠けるため、5月16日の西武戦で各塁への到達タイムをストップウォッチで計測してみた。

  第2打席(三塁打)……10.1秒
  第3打席(二塁内野安打)……3.87秒
  第4打席(投手前犠打)……3.75秒

 専門家の間では、一塁到達が4秒以内、三塁到達が12秒以内であれば俊足と言われているだけに、石川のタイムは充分それに値する(といっても、ストップウォッチを押すタイミングには必ず個人差が生まれるため、あくまでも参考ではあるが)。

 2ストライクからの粘りや逆方向への打球に対する高い意識。そして足の速さ。この三要素が石川の中に根強く染み付いているからこそ、リーグトップの14個もの内野安打を量産し、3割2分3厘のハイアベレージを残せている。

昨季とは正反対の守備の良さが打撃好調を支えている。

 補足すれば、打撃好調の要因のひとつに守備も挙げられる。昨シーズンは、遊撃手部門での守備率はリーグワーストの9割7分。失策数も17と多くの課題を残したが、今シーズンは37試合で守備率10割。つまり、失策を1度も記録していないのだ。

 打者はよく、「守備で打撃のリズムを作る」と言われている。石川もまた、守りが安定しているから攻撃面に余裕が生まれているのだろう。

 他球団にとって、今シーズンの横浜のリードオフマンの存在は脅威であることは間違いない。

 ただ、ひとつだけ気になることがある。それはプレーではなく、冒頭でふれた登場曲だ。

 曲名は「ズッコケ男道」。<あたってこーぜ~~>の後に<ズッコケ男道>と続くのが、この歌の特徴だ。

 とはいえ、今の石川には“ズッコケ”る穴らしき穴は見当たらないため、前向きにこの曲を捉えたい。

 “ズッコケメロディー”を背にスター街道をひた走る、彼の「男道」に期待しよう、と。

※ 今シーズンの成績は、全て5月18日現在のもの

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