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松坂大輔の球速は増したが……。
ボストンでプレーできる残り時間は?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byREUTERS/AFLO
posted2012/07/09 10:31
「チームの負担にならないように投げたいのだけど……なかなかできない状態ですね」と故障者リスト入りに際してコメントした松坂。大手術後の復帰をかけて戦う松坂だが、メジャー生き残りをかけての残された時間はあまりにも少ない。
メディアの批判に動じず、自分を貫くことができるか?
歴史的にみても、レッドソックスとボストンのメディアの関係は軋轢の歴史といってもいいくらいだ(今季からバレンタインに監督がかわり、火種には事欠かない)。そうすると、ファンも厳しい視線をおくるようになる。
振り返ってみると、松坂とボストンの蜜月期間は極めて短く、移籍した2007年から18勝をマークした2008年までだったと思う。それ以降は、ボストンのメディアにとって松坂は愛情を注ぐ対象ではなかった。
もし、松坂がイチローのプレーするシアトルや、青木宣親がレギュラーを獲得したミルウォーキーといった中規模都市でプレーしていたら、事情はまた違っただろう。メディア、ファンは比較的選手に温かく、辛抱強い。
来季はおそらく新天地での投球になる。いい条件でプレーするためにも、今季の残りの投球が重要なのだ。
踏ん張ってくれ、松坂大輔。