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孤高の競技者・室伏広治の告白――。
ロンドンとハンマー、そして人生。
text by
藤森三奈Mina Fujimori
photograph byAsami Enomoto
posted2012/06/29 10:30
6月初旬に開かれた日本選手権の男子ハンマー投げで、堂々の18連覇を達成した室伏広治。いったいいつまで連覇が続くのか……予想もつかないほどの圧勝劇。
「4度目の五輪では、持っているものをすべて出したい」
まもなくロンドンオリンピックが開幕する。男子ハンマー投は8月3日に予選、5日に決勝が行われる。「ギリギリの限界一歩手前のトレーニングを続けてきた」という室伏には最善の準備が出来ているといえよう。
――今、ロンドンオリンピックに向けてどのような心境ですか。
「昨年の世界選手権では36歳で金メダルが取れて、ロンドンで4度目のオリンピックに出られてチャレンジできるということを幸せに思っています。持っているものをすべて出したい、出せたらいいなと思っています」
――近い将来のことはどう考えていますか。
「できるだけ競技を続けていきたいという思いはありますが、後輩を育てたり、またこういう執筆活動をしたり競技の枠を超えていろんなことにチャレンジしていくことも大切かと思っています」
「メディアではアスリート人生の集大成と捉えているようだが、ロンドンオリンピック後に即引退と決めているわけではない」と本の中でも述べている室伏。
父、重信が自身の最高記録となる日本新記録を叩き出したのは38歳の時。まだやり残したことはある。彼が今超えなくてはならないもの、それは自分なのだ。
文藝春秋BOOKS
ハンマーに対する室伏の流儀を自身が語り尽くす
偉大な父からその素質を受け継ぎ、それ以上のものを築き、さらに高みを目指す稀代のアスリートの軌跡を室伏広治、本人が語る
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