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<UTMF密着ドキュメント> ウルトラトレイル・マウントフジ体験記~日本一過酷な「旅」の果てに~ 

text by

山田洋

山田洋Hiroshi Yamada

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photograph byMami Yamada

posted2013/04/24 17:10

<UTMF密着ドキュメント> ウルトラトレイル・マウントフジ体験記~日本一過酷な「旅」の果てに~<Number Web> photograph by Mami Yamada

自分がゴールしても、祭りは終わらない。

 41時間51分00秒。総合310位。

 ゴールして沢山のランナーと抱き合い、出迎えてくれたサポート隊に感謝の気持ちを込めてお礼を伝えた後、僕は、まだフィニッシュに向かって走っているランナーをゴール付近で待つことにした。

 ウルトラと呼ばれるレースには不思議な魅力がたくさんある。

 その1つが同じ道を走った全ての人との間に共有感が生まれ、まるで戦友のような気持ちになることだ。そのレースが過酷であればあるほど、出場選手全員に尊敬の念が担保される。この敬意が大会全体のホスピタリティにも繋がり、多くの人が自然と選手に温かい声を掛け、先にゴールした者が、まだ走っているランナーを出迎えることへと連鎖的にシェアされていく。僕はこの時間がたまらなく好きだ。自分がゴールしても、祭りは終わらない。

 僕が尊敬して止まない植村直己は言った。

「自分の足跡を残したい。人の評価でなく、自分でものをつくり出したい。年がいくほど、ますます青春を感じて夢が広がるんです。でも、次に必ず壁はある。それを乗り越えた時、パッとまた新しい世界があります。だから、厳しく自分を鞭打ってやってきた時は、振り返った時、実に爽やかです」

 濃密な3日間が終わった。全てに感謝。

 そして、また出たい。

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