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驚異の高卒新人、ハーパーとトラウト。
規格外の才能を伸ばすMLBの育成術。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2012/06/13 10:30
4月28日のドジャース戦でメジャーデビューを果たしているブライス・ハーパー。打撃好調もさることながら、毎試合“魅せる”プレーの連続で、全米にブームを巻き起こしつつある。
日本とアメリカ、育成の初期でココが違う!
球団の育成方針が、日本とアメリカでは違うのだと思う。
ナショナルズの場合でいえば、ハーパーにクリーンナップを打たせるのは時間の問題で、「正しい時期」を探っていた。
エンジェルスも「俊足長打」(好打ではないよ)のトラウトを引き上げると、1番に定着させた。
ここに、日本との差がある。
日本だったら、1シーズンは下位打線で……という発想がまだ根強いように見える。たとえば、中日の平田良介はそうした起用法が目立った。
しかしアメリカは、いきなりその選手にふさわしい打順を任せる。そこで育てる。
人間には、ふさわしい器を用意すべきだと私は考える。