スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
ケンプの故障と混戦のMVP争い。
~打撃絶好調なMLBの男たち~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2012/06/02 08:01
今季は打棒復活、初のMVP獲得の期待も高まるメッツの三拍子揃ったイケメン三塁手、デヴィッド・ライト。
穴馬の“チューチ”と期待の若手がMLBを面白くする。
が、ナ・リーグには見落とせない穴馬がいる。
チューチの愛称で知られるフィリーズの捕手カルロス・ルイース(33歳)だ。この3年、着実に打撃を磨いてきた選手だが、今季はとりわけよく当たっている。.371/.422/.615という数字はいずれもリーグ上位だし、盗塁阻止率36パーセント(リーグ平均は29パーセント)も打撃の好調を反映しているのではないか。
そうだ、ナ・リーグにも期待の若手がいることを忘れないでおこう。
パイレーツの中堅手アンドルー・マッカッチェン(25歳)が上昇株の代表だ。175センチ/83キロの身体は線が細いが、11年は23本塁打/23盗塁を記録したし、今季も.331/.389/.541と伸び盛りらしい数字を残している。MVP候補に挙げるにはやや弱いが、こういう選手が出てくると野球は面白くなる。眼移りしそうな後半戦を、ゆっくりと楽しもうではないか。