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<再出発の決意を語る> 松井秀喜 「“20年前の気持ち”で挑むメジャーへの道」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKazuaki Nishiyama(T&t)
posted2012/06/01 06:00
衝撃のメジャー“再デビュー”を飾った松井秀喜選手ですが、
それまでどんな思いを抱いてトレーニングに励んでいたのでしょうか。
Number804号「最強投手進化論。」では、孤独な自主トレの日々を経て、
タンパベイ・レイズとのマイナー契約に至る松井選手の歩みを特集。
メジャー昇格を夢見る若者たちに交じってバットを振る37歳の心に迫りました。
今回、メジャー10年目のシーズンがようやく幕を開けたのを機に、
特別に記事をウェブ公開いたします。
それまでどんな思いを抱いてトレーニングに励んでいたのでしょうか。
Number804号「最強投手進化論。」では、孤独な自主トレの日々を経て、
タンパベイ・レイズとのマイナー契約に至る松井選手の歩みを特集。
メジャー昇格を夢見る若者たちに交じってバットを振る37歳の心に迫りました。
今回、メジャー10年目のシーズンがようやく幕を開けたのを機に、
特別に記事をウェブ公開いたします。
フロリダ州のタンパ国際空港からレンタカーを駆って南に約1時間半。メキシコ湾を望む小さな港町、ポート・シャーロットにあるタンパベイ・レイズの施設で、松井秀喜はボールを追いかけていた。
実戦練習に入る前の5月5日のことだった。 ユニフォームも与えられずに短パンとTシャツ姿。周りにいるのは1Aやルーキーリーグ、もしくはそこにも入れない教育リーグの選手たちで、年齢も二十歳そこそこという若者ばかりだ。その中で、ひと目見て、松井の何が目立ったかと言えば、短パンからのぞくふくらはぎの白さだった。
その白さが、ニューヨークで孤独なトレーニングを続けてきたこれまでの苦労を、妙に実感的に物語っているようにも思えた。
「アメリカでのオファーを待つって決めていたから。とにかくそれだけ。あとは何もなかったですよ」
契約が決まらないままに日本を発ったのは、2月22日のことだった。