ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
岡崎も認めた酒井高徳の潜在能力。
シュツットガルトも来季は優勝争い!?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2012/04/19 10:30
ドイツの2大紙『キッカー』『ビルト』でベストイレブンに選出されるなど酒井の評価はうなぎのぼり。『WELT』紙は「すぐにでも彼を帰化させるべき」とも。
出場試合は8勝2分1敗の好成績で高まる酒井への信頼。
今年1月、ウインターブレイク中にアルビレックス新潟から加入した酒井。後半戦が始まってからしばらくは出番がなかったものの、2月4日のレバークーゼン戦で左サイドバックのレギュラーを務めていたモリナーロが3試合の出場停止処分を受けると、あっという間に左サイドバックのレギュラーに定着してしまった。さらに、右サイドバックのレギュラーだったボラルーズが負傷すると、今度は右のサイドバックとしてレギュラーを務めるまでに至っている。
事実、酒井が試合に出るようになってからの11試合で、チームは8勝2分1敗という好成績を残しているのだ。
岡崎慎司も認める“ゴウトク”の冷静な判断力。
酒井の魅力と言えば積極的な攻撃参加ばかりが取り上げられるが、それ以上に語るべきなのは、彼に預けさえすればボールがちゃんと収まるということだろう。
これは敵として対戦した香川真司も認めている。酒井がレギュラーに定着するまでのシュツットガルトは、あわてて前線に蹴りだしたり、落ち着いてキープできずにボールを失ってカウンターから失点する場面が少なくなかった。4月10日のアウグスブルク戦で酒井はチーム最多のボールタッチ数を記録したが、これは周囲の選手が彼に安心してボールを預けている証だ。
今季開幕からプレーしてきた岡崎も認めている。
「やっぱり、イビセビッチとゴウトク(酒井)の加入は大きかったですよね」
しかし、いくら冬の移籍期間の補強が上手くいったとは言え、ここまでチーム状態が激変するものなのか?
終盤になってからチームが調子を上げてきている理由を岡崎はこう解説する。
「うちは練習量が半端ないんですよ。今年のミニキャンプのときからずっとやってきたから。みんなはそうは考えないかもしれないですけど、だから今、こうやって走れているんだと思いますよ」