球道雑記BACK NUMBER
新人王候補は藤岡だけじゃない!?
ロッテのルーキー益田直也が歩む道。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byHideki Sugiyama
posted2012/04/17 10:30
中後悠平、藤岡貴裕ら同期のルーキー3人組で開幕から一軍登録されている益田直也。すでに先発として2勝している藤岡は、開幕早々から新人王候補筆頭として騒がれているが……。
「新人王は藤岡に任せます。僕はまた別の目標で……」
公式戦ここまで(4月16日現在)6試合に登板している益田だが、与えた四死球はゼロ。制球力はプロ入り前もスカウト間でかなり評判になっていた。千葉ロッテ・西村徳文監督も「ルーキーとは思えないね」と、その堂々たるマウンド捌きを称賛する。
開幕前に掲げた目標は、「怪我をせず1年間一軍にいることと、最低でも50試合は投げること」というもの。一見、地味に思える目標も、よくよく見るとルーキーで「最低50試合投げる」と宣言しているのだから、控えめなのか大胆なのか分からない。
新人王のタイトルは? と記者に質問を投げかけられると、「新人王は藤岡に任せます。僕はまた別の目標で……」と笑顔で軽く流す。
報道陣を前にしての立ち振る舞いも日に日に堂々としたものになっている。
新人時代から4年連続50試合登板を果たす伊藤義弘の存在。
もちろん言うだけで終わりじゃない。目標達成の努力は日々欠かさない。
「走ることは好きなので、そこは誰にも負けたくないですね」
この冬は同期の2人に負けない量の走り込みを自らに課し、1月のチーム合流に備えた。
さらにルーキーイヤーから4年連続で50試合登板を続ける先輩の伊藤義弘からアドバイスをもらって、自身の目標達成に向けてまた一歩前進した。
「最初はキャンプであまりにも調子が良くなかったので、クイックで投げるようにしたんですけど、伊藤さんからシーズンに入ったら、半分以上がランナーいるときに投げるから、俺はずっとクイックで投げているよと言われて、自分もそのままにしています。クイックで投げることによってブルペンでの球数も、普通に足を上げて投げる練習をしない分だけ省けるので、一日の球数を少なくすることが出来ますし、伊藤さんも僕もクイックで投げても球威は変わらないので。だから、それをずっと続けています」(益田)