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長友佑都のメニューよりもきつい!?
石川遼が取り組む体幹トレーニング。
 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2012/02/16 10:30

長友佑都のメニューよりもきつい!?石川遼が取り組む体幹トレーニング。<Number Web> photograph by Getty Images

クロスカントリースキー合宿最終日には、瞬発力のトレーニングを行なった石川。100mダッシュ6本と3kmのタイムトライアルなどをこなし、合宿中「一番きつかった」と語った

「遼はトレーニング好きではない」と仲田トレーナー。

 しかし石川の肉体づくりも全てが順調に進んできたわけではない。'10年シーズン中には腰を痛めて大きな不安を押し隠しながらプレーしていた時期があった。この時は石川が「ある程度は自分でやりたい」と言い、仲田トレーナーが全試合に帯同していなかった時期である。ところが、腰を痛めた。石川は「ストレッチや準備運動で怠けていた部分があった」と独力調整でスキができたことを反省していたという。

「遼は別にトレーニングが好きなわけじゃない。ゴルフが上手くなるには必要だからトレーニングにも取り組んでいるだけ」

 人間誰しもきついことや面倒くさいことはやりたくない。石川とて例外ではないのだ。

 昨シーズンもラウンド後のトレーニングなどは「えー、どうしても?」「きょうはどうしてもやりたくない」と渋ることがあったという。そんな時に仲田トレーナーは「じゃあこれだけはやっておいて」とか「気が向いたらこれとこれはやっておいてほしい」などと安易に選手におもねることもなく、言うべきことをすべて言い続けてきたという。

さらなる飛距離を求めて「瞬発力」を重点強化。

 結果的に昨シーズンは優勝こそなかったが、世界中を飛び回るハードな日程においても石川の体が悲鳴を上げることはなかった。シーズン終了時の体重は'10年シーズンが65kgまで減ってしまっていたのに対し、昨季は70kgをキープ。そして現在は73kg前後まで増えてきている。

「自分の筋肉のつき方が毎年変わってきてるのは感じます。選手は自分勝手だから、自分の体は自分が一番分かってるみたいなところがある。でも『少しでもいいから』と無理矢理言われて渋々やってきたことが生きてると思う。仲田さんには本当に感謝してる」

 昨シーズン終了後、石川が会見で仲田トレーナーへの感謝を口にしていたのも肉体の変化に対する手応えゆえだろう。

 ただし、頑丈さを増したとはいえ肉体づくりはまだ終わりではない。石川と仲田トレーナーが今季のテーマとするのは「瞬発力」。飛距離の出る選手は背筋力や垂直跳びの能力が高いという米国の研究データに基づき、その部分を追求していくつもりだ。

「1、2年前のズボンは太ももも腰もギリギリ入るぐらい。ポロシャツも小さく感じるので全体的に大きくなってきている」という石川のウエアのサイズは、今季さらに大きくなりそうである。

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