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長友佑都のメニューよりもきつい!?
石川遼が取り組む体幹トレーニング。
 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2012/02/16 10:30

長友佑都のメニューよりもきつい!?石川遼が取り組む体幹トレーニング。<Number Web> photograph by Getty Images

クロスカントリースキー合宿最終日には、瞬発力のトレーニングを行なった石川。100mダッシュ6本と3kmのタイムトライアルなどをこなし、合宿中「一番きつかった」と語った

1回のトレーニングでこなすメニューは50~100種類。

 仲田トレーナーは石川のトレーニングの特色についてこう説明する。

「負荷をかけて鍛えるだけでなく、それをゴルフの動きにつながるように、多方向から筋肉に刺激を入れている。トレーニングはダンベルの上げ下げのように直線的な動きになることが多いけど、実際のプレーでは単純な動きはない。ライも傾斜も毎回違うので、それに対応できるようにいろんなベクトルから刺激を与えることを意識している」

 1時間から1時間半のトレーニングにおいて、石川がこなすメニューは50~100種類に及ぶのだという。それはさまざまなメニューを用いてトレーニングを飽きさせない工夫でもあるのだが、最大の狙いは仲田トレーナーが言うような“多方面からの筋肉への刺激”という部分にあるのである。

筋力とバランスを強化する秘密特訓「EXILE」とは?

「以前より重たいものも持ち上げられるようになってるけど、数字だけでは計れない部分が遼は大きく成長した。昔はストレッチポールの上に乗っての腹筋も10回、20回やったらふらふらになっていた。今は『やっといて』と言えば100回ぐらいやってるし、目をつぶりながらでもできる。そのあたりのボディバランスはすごいと思う。

 目をつぶって片足を上げながら腹筋を50回以上やったり、腹筋を意識しながら股関節を使ったり。いろんな筋肉を連動させて、どう機能的に使っていくかを大事にしている」

 たとえば石川と仲田トレーナーの間でコードネーム「EXILE」といえば、回転トレーニングのこと。これは腕立て伏せやスクワットを単純な屈伸や回旋ではなく、体重移動しながら行うというもの。ぐるぐると回転するその動きは、言われてみればEXILEのダンスに似ている気がしないでもない。

 こうしたメニューのほとんどが仲田トレーナーの考案したもので、トレーニング中にその場で思いついたものをやらせることもあるという。腹斜筋強化のためには鉄棒にぶら下がってひざを上げ、ひねりを入れるメニューに取り組んでいるが、仲田トレーナーは今度は着脱式の吊り輪を鉄棒にとりつけ、それにぶら下がりながらのパターンを考えてあるという。想像するだけで腹筋がつりそうである。

「長友選手の体幹トレーニングの本を見たけど、あのメニューは遼が高校生の時からやってること。遼も『これって僕やってましたもんね』と言っていたからね」

 長友のトレーニングも本で公開されたものが全てではないだろうが、少なくとも石川もそれらのメニューを当たり前のようにこなしてきたことだけは確かなようだ。

【次ページ】 「遼はトレーニング好きではない」と仲田トレーナー。

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