スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
ヘイワードとグリフィーJr.。
~鮮烈デビューの大物ルーキー~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2010/04/11 08:00
ヘイワードは地元アトランタ出身。同地のマジョリティー、アフリカン・アメリカンの希望の星でもある
若き日のグリフィー・ジュニアを彷彿させるヘイワード。
そんなプーホルスのデビュー時を彷彿させるといわれているのが、ブレーヴスの新人ジェイソン・ヘイワードだ。インターネットの映像で見る限り、たしかにこの新人には大物感が漂う。193センチ、108キロの体格は立派だが、印象はむしろしなやかだ。新人時代のケン・グリフィー・ジュニアや、若き日のフレッド・マグリフを連想させるといえば、その姿を思い浮かべていただけるだろうか。さらにヘイワードは、膝や手首の使い方が実に柔らかい。開幕戦の1回裏、カブスのザンブラーノから右中間に叩き込んだ第1号本塁打の弾道はとても美しいものだった。
ヘイワードはハーヴァードかUCLAに進学するつもりだったが、ブレーヴスの第1位指名(全体では14番目)を受けて、2008年にプロ入りした。09年には、A→2A→3Aの2階級特進で、チームの最優秀マイナーリーガーに選ばれている。年齢もまだ20歳。開幕戦では7番ライトで出場していたが、シーズン後半には中軸を打つあたりにまで成長しているかもしれない。新し物好きの先物買いといわれればそれまでだが、私は今季の楽しみがまたひとつ増えたと思っている。10年後には、「2010年はグリフィー・ジュニアとヘイワードの交差点だった」という記事が、メディアをにぎわせるのではないか。