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覇権争いが激化必至の今年のF1界。
ピット内外で勃発する5つの戦い。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2012/01/10 10:30

覇権争いが激化必至の今年のF1界。ピット内外で勃発する5つの戦い。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

2012年も圧倒的に有利との前評判がある王者セバスチャン・ベッテル。「しかし、このスポーツの良いところは、毎年シーズン開幕前にはドライバー全員が同じ条件に戻るところだよ」と発言している

バトル5――FOTA対脱FOTAの戦い。

 昨年12月に入ってから、フェラーリとレッドブルが相次いでFOTA(フォーミュラワン・チーム協会)を脱退した。表向きの理由は、年間の開発費を制限しようというリソース制限協定を巡る紛争である。しかし、FOTAが設立された当時と現在では状況は大きく異なっていることを忘れてはならない。FOTAが設立された'08年はホンダ、トヨタ、BMWという多額の年間予算をかけてF1を戦うチームが存在していたが、その3チームはいまはいない。また、当時は独裁的な決定を下すFIA会長だったモズレーとチームが新しいコンコルド協定締結に向けて激しく対立していたが、そのモズレーも退任。各チームがFOTAとして団結する理由がなくなったのである。

 フェラーリとレッドブルに続いて、フェラーリエンジンを搭載するザウバーも脱退を表明。すでにHRTも脱退しており、レッドブルの兄弟チームであるトロ・ロッソの脱退も近いと言われている。FOTA対脱FOTAの力関係は接近すればするほど、今後両者の関係が緊迫することは必至なだけに、その推移も見守りたい。

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