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覇権争いが激化必至の今年のF1界。
ピット内外で勃発する5つの戦い。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2012/01/10 10:30

覇権争いが激化必至の今年のF1界。ピット内外で勃発する5つの戦い。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

2012年も圧倒的に有利との前評判がある王者セバスチャン・ベッテル。「しかし、このスポーツの良いところは、毎年シーズン開幕前にはドライバー全員が同じ条件に戻るところだよ」と発言している

バトル3――復活へ向けたクビサとライコネンの戦い。

 昨年の2月にラリーで事故に遭い、'11年シーズンを欠場したクビサ。チームは代役を迎えてクビサの復帰を待っていたが、リハビリは想像以上に厳しいものとなった。そこでクビサが所属していたロータス(今シーズンからロータス・ルノーからロータスに名称を変更)は、'12年に向けた決断を下す。それはクビサのシートを別なドライバーに完全に明け渡すことだった。ただし、クビサも復帰をあきらめたわけではない。イタリアではすでに今春にはフェラーリの型落ちのマシンでテストするというウワサもある。もし、そのウワサが真実だとすれば、'13年のシート争いはますます過熱するだけに、クビサの回復状況はクビサ・ファンだけでなく、ライバル勢にとっても気になるところではないだろうか。

 そして、クビサの代わりにロータスのシートを得たのが、'07年のチャンピオンであるライコネンだ。ライコネンは'09年限りでいったんF1を離れ、3年ぶりの復帰。'10年に4年ぶりに現役に返り咲いたシューマッハーは、復帰1年目に思うような結果が残せずに苦しんだ。ライコネンがどんな走りを披露するのかも気になるところだ。

バトル4――F1開催予定地の、生き残りを賭けた戦い。

 '11年のF1は、開幕戦に予定されていたバーレーンGPが、中東の政治的混乱が原因で中止となる中で幕が開けた。そのバーレーンGPが4月20日から3日間、第4戦としてカレンダーに組み込まれている。日本の外務省では「今後も、治安情勢の推移については、引き続き十分に注意する必要があるものの、マナーマ市内等は、治安当局による取り締まりもあり、平静が保たれており、バーレーンの治安情勢は概ね安定していると言えます」とし、2011年12月28日には「渡航の是非を検討してください」から「十分注意してください」に危険情報を1段階引き下げている。ただし「シーア派住民が多く住む地域では小規模なデモや抗議集会が時おり行われ,治安部隊との小競り合いも散発しています」と、渡航する際には引き続き注意が必要だという。バーレーンGP開催は依然、緊迫したままである。

 また5年ぶりにF1のカレンダーに加わったアメリカGP(舞台は初開催となるテキサス州オースティン)が予定通り開催されるかも、まだ疑問が残っている。昨年11月末には一時、契約決裂寸前まで陥っていたアメリカGP。12月になって、なんとか契約締結にこぎつけたものの、その期間工事は中断し、工期が大幅に延びることが予想されている。

 また昨年10月に、ニューヨークに程近いニュージャージー州が'13年からのF1開催を発表したことも、テキサス州オースティンでのF1開催にクエスチョンマークを残す要因となっている。

【次ページ】 バトル5――FOTA対脱FOTAの戦い。

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