オフサイド・トリップBACK NUMBER
マネーが変えるサッカー界の勢力図。
中国が日本を買い占める日は来るか。
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byKYODO
posted2012/01/04 10:31
中国で開かれた、クラブの監督就任記者会見で自身の名前が入ったユニフォームを披露した岡田武史氏
では、日本サッカー界は何をするべきか?
日本はいかに対応するべきか。当面はやるべきことをしっかりやる――。一喜一憂せずに選手育成に励みつつ、契約制度を見直して、Jのクラブが一方的に不利益を被るような人材流出を防ぐというのが現実的な方策になるだろう。日本のサッカー界は、ドイツのクラブによる強引な引き抜きにさえ手を焼いているのが現状だからである。
ちなみに投資銀行の友人は、中国株は勧めてこなかった。
「マーケットの大きさでは世界一だし、うまく転べばさらに大化けする可能性もなくはないと思う。でもいかんせんロシア以上に先が見えないし予測しにくいんだよ」
だが少なくとも「今そこにある富の脅威」は、銀座や表参道に行けばだれでも肌で実感できる。財布の紐が堅い日本人を尻目に、まるでスーパーマーケットにでもいるかのようにブランド品を買い漁っているのは中国のパスポートを持つ人達ばかりだ。同じことが今、サッカー界の移籍市場で起きつつある。そしてその影は、多かれ少なかれ日本にも忍び寄ってくるのである。