バーレーンに勝ってアウェーの呪縛からは解き放たれた。

――前半終了間際、大津祐樹の先制ゴールが決まったが、あのゴールはチームに勇気を与えた？

「あの先制点でチームが落ち着きましたからね。すごく大きかったと思います。あれがなければ後半、前にもっと行かないといけないし、かなり戦いづらかったと思います。後半、自分が出場したときは相手の守備がバラバラだったので、1本のパスで裏を狙えると思っていたんですけど、なかなか簡単にボールを持たせてくれなかった。追加点、ほしかったんですけどね」

――クウェート戦での反省は生かすことができた？

「そうですね。後半の立ち上がりから『集中しよう』ってみんな声をかけ合っていたし、そこで失点しなかったのが大きかった。クウェート戦のように失点していたら、もしかしたら相手の勢いに押されていたかもしれない。そこでゼロに抑えることができたのは、全体の守備力が向上したからでしょう。バーレーンに勝ってアウェーのいやなイメージを少しは払拭できたかなと思います」

――この試合は、マレーシア戦でレギュラーだった清武弘嗣、原口元気、山村がいなかった。その影響は感じた？

「キヨ（清武）はタメを作ってくれるし、流れを変えて周囲を活性化してくれる。そういう選手がいないとやっぱり戦い方に違いが生じてきますね。バーレーン戦よりもマレーシア戦のほうが明らかにつなげられていたし、チャンスも多かったので。それは相手との力関係やピッチの状態もあるから仕方ないですけど」

絶対に勝たなければならないシリア戦。緊張はピークに達していた。

　シリア戦は関塚隆監督が「大一番」と位置づけた試合だった。首位を争うシリアから勝ち点3を上げれば、それ以降の最終予選を優位に戦うことができる。だがもし負ければ、2月のアウェーで厳しい戦いを強いられることになる。初めて経験する「勝たなければならない試合」の緊張感に、試合前日の選手たちの表情は一様に硬かった。

――ホームのシリア戦は自分のなかでどういうふうに位置づけていた？

「絶対に勝たないといけない試合ですね。2勝同士だったし、ホームで負けたらロンドンへの切符が難しくなる。その思いが強すぎたのか、前半はすごく硬かったしミスも多かった。攻撃が中途半端な感じで終わっていて、もうちょっとシンプルに攻めてシュートで終わればいいのにと思って見ていました。でも、どうしたって慎重になりますよ」

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