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女王ウオッカが残した、
強烈なる個性的蹄跡。
~順調なら初仔が3年後デビュー~
text by
![阿部珠樹](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
阿部珠樹Tamaki Abe
photograph byHideharu Suga
posted2010/03/25 06:00
![女王ウオッカが残した、強烈なる個性的蹄跡。~順調なら初仔が3年後デビュー~<Number Web> photograph by Hideharu Suga](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/8/c/350/img_8c8701f0fa0ed66f38d5d3cc5d030d3e357305.jpg)
昨年11月、日本牝馬初のジャパンカップ制覇が最後の勝利となった
冬を送る一輪の花身内(みうち)より白きタイルに鼻血おちたり
この岡部桂一郎の短歌を、競馬と同じくらいボクシングが好きだった寺山修司はボクサーを詠んだものと解釈した。戦い終えたボクサーがシャワールームで下を向いたとき、タイルに滴り落ちた鮮血。「その血の赤さは、さながら一輪の花である」(「現代百人一首」)。
寺山が生きていたら、ドバイでウオッカの鼻から滴った血も、やはり美しい一輪の花と見たかもしれない。ともかく、「ウオッカの季節」は滴り落ちた血の花に送られて終わった。ほんとうはジャパンカップの勝利のあと、鼻先ににじんだ血を見たとき、われわれはウオッカの季節の終わりに気づくべきだったのだ。
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