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今春のセンバツは多士済々!?
注目校と選手、見所を総まとめ。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/03/18 10:30
昨夏の覇者・中京大中京のブロックは多様な監督が揃う。
昨夏の覇者・中京大中京(愛知)のブロックは様々な経歴を持つ指揮官に注目したい。
広陵(広島)・中井哲之監督は春に2度の優勝経験もあり、実績で抜きんでている。本格派右腕の有原航平らを中心とした総合力で勝負をかける。初戦で対戦する立命館宇治の卯瀧逸夫(うだき いつお)監督は過去に府立校で2チームを甲子園に導き、センバツベスト4の実績もある。“策士”の言葉が似合う監督だ。夏・春連覇を目論む中京大中京・大藤敏行監督に挑むのは盛岡大付(岩手)・関口清治監督。同校は過去春夏7度の甲子園出場があるが、いまだ未勝利。関口監督は同校初出場時の選手でもある。昨夏の優勝バッテリーで投打の中心、森本隼平と磯村嘉孝をどう打ち破るか。前橋工(群馬)の小暮直哉監督は'84年生まれの今大会最年少指揮官である。
帝京、今治西など地区大会優勝校が並ぶ今大会最激戦区。
帝京vs.神戸国際大付のカードがあるブロックは今大会最激戦区。
帝京は昨夏1年生ながらにMAX147kmを計時した伊藤拓郎、エース・鈴木昇太ら複数投手陣が140kmを超える速球を持っており、安定もしている。攻撃面では打力だけでなく、さらに機動力も使える強みがある。帝京と初戦で対する神戸国際大付は「エース・4番・主将」の大黒柱・岡本健がチームを引っ張る。MAX148kmのストレートと高速スライダーが武器の島袋洋奨を擁する興南(沖縄)、爆発的な攻撃力を誇る智弁和歌山、北信越大会優勝校・高岡商(富山)、四国大会覇者・今治西(愛媛)ら実力校がひしめく。興南と対戦する関西(岡山)にしても、エースの堅田裕太は昨秋の公式戦防御率が島袋に次ぐ2位だ。「先を見る余裕がない組み合わせですね」と苦笑いしたのは帝京・小林孝至主将である。どこが勝ち抜いてくるか、まったく見えない。
今春イチバンの注目株、東海大相模エースの一二三慎太。
優勝候補最有力と前評判が高い東海大相模(神奈川)のブロックも実力校が揃う。
東海大相模はエースの一二三慎太が注目。最速149kmのストレートで騒がれるが、彼の特長はベース内外への球の出し入れの巧さだ。球速が出る投手の多くはスピードに頼ったピッチングをするが一二三はそうした傾向がない。“ピッチングができる”という表現が一番合うだろう。一昨年夏の覇者・大阪桐蔭は派手さこそないが、福本翼と大家淳徳の左腕二枚看板を軸に走・好・守のバランスがいい。明治神宮大会を制した大垣日大(岐阜)は2年生エース葛西侑也(かっさい ゆきや)に注目。機動力野球で「春に強い」ベテラン・阪口慶三監督が腕を振るう。21世紀枠の川島(徳島)は部員18人での挑戦となる。北照(北海道)vs.秋田商(秋田)の雪国対決はともに地区大会優勝校同士だ。