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筒香、国吉、黒羽根ら若手を大抜擢!
横浜ベイの終盤戦から目が離せない。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/09/24 08:02
横浜の育成出身の大型右腕・国吉佑樹は、9月13日の巨人戦で6回途中1失点の好投を見せた。初勝利はまだ遠いが、来季はローテーションの柱としての期待が高まる
横浜高校時代の“上から目線”のバッティングが復活。
ところが、プロ入り後の筒香は必ずしもいい打撃フォームで打っていなかった。昨年のフレッシュオールスターゲームでは打撃練習のときから体を沈み込ませて、反動で打っていた。これがプロの壁である。打者近くで鋭く変化する変化球や、伸びのあるストレートに対応するには小さな振幅で打つことが重要だが、それはヘッドスピードの速いスイングをモノにして初めてできる技である。筒香にはそれがまだできなかった。
ところが9月15日の巨人戦、筒香はみごとに高校時代のバッティングを取り戻した。否、プロの投手を高校時代と同じように、“上から目線”で見られるようになったと言い直したほうがいい。ヘッドスピードの上昇によって合理的なバッティングに立ち返ることが可能になり、「当たり前のことをやって、当たり前の結果を残す」という感覚が、ようやくプロ野球人・筒香嘉智の身に備わるようになったのである。
国吉佑樹と黒羽根利規のバッテリーと、将来の4番候補・筒香嘉智というチームの中核が徐々に固まり始めた横浜。面白いチームになってきたと思う。