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去就が噂されるイチローと松井秀喜。
チーム内での立場はどうなってる?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKYODO
posted2011/09/19 08:01
11年連続200本安打に黄信号が灯るイチローだが、その一方で盗塁王の可能性が高くなってきているという嬉しい数字も。松井秀喜はGMのビリー・ビーンが残留に前向きという報道が出るなど、後半戦の好成績で良い雰囲気になりつつあるのだが……
松井がメジャーで活躍するチャンスはまだ残っている。
複雑なシステムだが、日本とは違ってFAの選手を失った球団には大きな見返りがあるのがメジャーリーグの特徴である。
ひょっとしたら、夏場に成績を上げてきた松井を見て、トレードに出すよりも、ドラフト指名権を獲得した方が得策だと、アスレチックスは判断したのかもしれない。
数字を整えた松井は、来季もメジャーで活躍できるチャンスを広げた。しかもレフトを守る機会も増えているから、アメリカン・リーグだけでなく、ナショナル・リーグの球団も視野に入れられる。
年齢的な問題もあって(ジーターと同級生の37歳)、年俸は日本円にして3億前後と低く抑えられるだろうが、彼がアメリカの球場で活躍するチャンスはまだ十二分にある。
移籍候補の球団は、また別の機会に……。