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眠れる強豪校・関西がついに覚醒!
如水館を破った神懸かり的采配。
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/08/17 18:50
地方大会の決勝でも、土壇場の9回で3点差を追いつき同点とした後、延長戦でサヨナラ勝ちするなど、今夏の関西は実力だけでなく運までも味方につけている。自身の高校時代にベスト8まで進んだこともある江浦滋泰監督も、この快進撃に感慨しきり
「今は、思う存分、力を出せる状態にあります」(江浦)。
木内はよくこう話していたものだ。
「嬉しそうな顔をしてマウンドに上がるピッチャーは、みんないいピッチングをするもんなんだよ」
もちろん、江浦はそこまで計算して使ったわけではないようだが、結果的に堅田に自信を取り戻させた。
実は、江浦のことをこれまではちょっと陰のある監督だなと思っていた。だが、勝ち上がるごとに言葉も大きく、はっきりしてきた。そして、何より目に自信が宿ってきた。
「(甲子園での采配は)楽しいですね。今は、思う存分、力を出せる状態にあります」
これまで潜在能力は高いと言われ続けてきた関西だが、なかなか力を発揮しきれずにいた。そんな中国の強豪が、ようやく人馬一体となった感がある。
関西は19日の準決勝で習志野(千葉)と日大三(西東京)の勝者と当たる。どちらがきても優勝候補だ。でも「笑う門に福来たる」だ。指揮官が乗りに乗っている関西もあなどれない。