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復活レバークーゼン、無敗の強さ。
~ドイツ代表当落線上の男たち~
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2009/10/17 08:00
レバークーゼンを牽引する主将ロルフェス。狙うはクラブの優勝とW杯出場だ
話題の得点王キースリンクが外される代表選考の不可解さ。
そして、もっとも注目を集めているのがFWのキースリンクだ。開幕から5試合連続ゴールをマークするなど絶好調で、第8節を終えた時点ではリーグ得点王だ。にもかかわらず、今年の2月以降は代表戦から遠ざかっている。
9月に行なわれた2試合の代表戦を戦うメンバーが発表された直後には、ちょっとした騒動が巻き起こった。FWには、連続試合ゴールを記録中だったキースリンクの名前はなく、リーグ戦でゴールを決めていなかったルーカス・ポドルスキーやカカウ、ミロスラフ・クローゼが名を連ねていたからだ。
代表のスポーツ・ディレクターを務めるマティアス・ザマーが「メンバーについては議論の余地があるかもしれない」ともらせば、同僚のアドラーは「キースリンクにこれ以上、何を望むっていうのさ」と苦言を呈した。
結局、10月10日に行なわれたW杯予選の大一番ロシア戦のメンバーにも彼は選ばれなかった。「おかげで家族と過ごせる時間が増えたよ」と強がるキースリンクは、チームでのさらなる活躍を誓う。
「もっと良いパフォーマンスを見せないといけないってことだろうね。さらにチームの成績をあげ、ゴール数も増やしてみせるよ」
キースリンクについては、レーブ監督も今後の招集をにおわせている。
「彼にもそのうちチャンスが来るはずだ。彼がどんなプレーを見せてくれるのかは理解しているつもりだ」
ロルフェスはクラブの優勝とW杯出場の二兎を追う。
キャプテンのロルフェスは代表への思いをこんな風に表現する。
「レバークーゼンにタイトルをもたらす。そして、代表のレギュラーになる。これって、極めて自然な流れだと思うな」
そういえばハインケス監督は、ドイツ代表では目立った存在ではなかった。W杯やEUROのタイトルも主力として勝ちとったものではない。同じ時代には、「爆撃機」ゲルト・ミュラーがいたからだ。レバークーゼンの選手たちがW杯で活躍する姿を見て喜ぶのは、誰よりハインケスなのかもしれない。