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代表再建にかけるプランデッリ監督。
EURO予選に見る新生アズーリの姿。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2011/07/13 10:30
チーム改革を進めるプランデッリ監督。EURO予選では5勝1分と無敗でグループ首位をキープしている
EURO2012本大会に向け、イタリア代表が予選グループCを順調に勝ち進んでいる。南アフリカでの屈辱から1年。チームは立ち直りつつあるのだろうか。
昨夏、就任したプランデッリ監督は、“アズーリ再建”プランとして3つの方針を掲げた。前任のリッピ時代に手つかずのままだった「帰化選手の積極登用」、「ファンタジスタの復権」、そして「若返りの推進」。
知将プランデッリは守護神ブッフォンと司令塔ピルロ以外のベテラン勢を一掃するや、新戦力を次々に試し始めた。
新生ヤング・アズーリの顔としてジュゼッペ・ロッシが活躍。
まず、ブラジルから帰化したMFチアゴ・モッタ(インテル)を招集すると、即座に主力として定着させた。予選同組の難敵スロベニアを相手に決勝ゴールを決めるなど、すでに欠かせない戦力となっている。
未完の天才FWカッサーノ(ミラン)の扱い方も知将ならでは。
プライドをくすぐるコメントを駆使してやる気と責任感を起こさせ、6月のエストニア戦では1ゴール1アシストの活躍を引き出している。
そして、24歳のジュゼッペ・ロッシ(ビジャレアル)を起用し続け、信頼を与えることでFWのエース格に成長させた。
南アフリカW杯本大会でメンバー落ちした悔しさを払拭したロッシは、今やスペイン風に“ペピート(=小さなジュゼッペ)”と愛称で呼ばれ、新生ヤングアズーリの象徴になりつつある。
プランデッリの再建プランは本人曰く「期待以上の成果だ」。
7月現在、EURO予選グループCはイタリアが2位スロベニアに勝ち点5差をつけ、首位を快走。予選6試合での失点はわずか1で最少を誇る。プランデッリによる再建プランの第1フェーズは、本人いわく「期待以上の成果だ」。
EURO本大会出場が視界に入った今、再建プランは、チームの核となる戦い方を固める第2フェーズに入った。ホームで3-0と快勝した6月のエストニア戦では、プランデッリが描く新しいアズーリ像が鮮明になった。