日本代表、2010年への旅BACK NUMBER
平山相太が見せた守備力&走力。
長身FW加入で日本代表が変わる!
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKiminori Sawada
posted2010/01/13 10:30
以前は運動量の少ないストライカーと言われていたが、FC東京移籍後はそのキープ力を活かしたポストプレーに磨きをかけた
FC東京・城福監督のもとでプレーの幅を広げた平山。
かつて怪物と騒がれた平山も6月のW杯本大会を25歳で迎える。振り返ればイバラの道だった。オランダ1部のヘラクレスからFC東京に移籍して以降、伸び悩む時期が続いた。北京五輪本大会のメンバーにも落選した。だが、FC東京の城福浩監督のもとで守備や連動などプレーの幅を広げた昨シーズンの経験は、平山を確実に覚醒へと近づけている。
そして何より、自己のレベルアップに貪欲さを強く持つようになった。
「サッカーで死ねたら本望ですから」
テロの脅威にさらされたイエメンに向けて日本から出発する前、練習を終えた平山は新聞記者にこう言った。
「サッカーで死ねたら本望ですから」
直接的な表現をあまり好まない平山が、このように熱い物言いをするのは珍しいことだそうだ。遠征中ずっとこの発言を気にしていた一人の記者は、日本に帰国した際に発言の真意を確かめるべく「あの発言はどこまで本気だったの?」と平山にぶつけた。するとすぐに、真顔で言葉が返ってきたという。
「本当の気持ちをそのまま言っただけですよ」