ベースボール・ダンディBACK NUMBER
交流戦に見た、原采配の裏表。
~名将の弱点はDH制にあり?~
text by
田端到Itaru Tabata
photograph byHideki Sugiyama
posted2009/06/22 13:30
交流戦のビジターゲームで、巨人の成績が振るわない理由。
ただし、そんな指揮官でも、いつもと勝手が違ったと思われるのが交流戦のロード(ビジター)のゲームだ。
巨人の交流戦成績は12勝9敗、3引き分け。これをホームとロードに分けると、
ホーム…9勝3敗
ロード…3勝6敗3分け
ロードでは12試合中、わずか3つしか勝てなかった。
DH制が採用される交流戦のパ・リーグ主催試合では、投手が打席に入らない。投手の打席で代打を起用しながら、巧みに選手や守備位置を入れ替え、日替わりのヒーローを生み出してゆくという原監督の得意とする用兵が、うまく機能しないのである。
いつもは早め早めの仕掛けも、ロードのDH制の試合では後手に回ることが多く、それが5月30日から6月3日にかけての4試合連続延長戦(0勝1敗3分)という疲労感たっぷりの珍記録につながった。
人使いの名将・原辰徳監督の弱点は、人をうまく回転させられないDH制にあり。明日からペナントレースに戻り、再びその手腕は冴えわたるのか。