ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
「今日の相手なら5、6点とらないと!」
U-22がクウェートに完勝も課題残る。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/06/20 12:30
試合後、23日に控えるアウェーでの厳しい戦いを念頭に「今日の相手なら5、6点はとらないと!」と言い放った東慶悟。試合翌日に中東へ出発という強行日程と、気温40度を超えるというクウェートでの戦いに、油断は禁物だ
監督のメッセージと選手の意識との間に生じたズレ。
その強引さが選手の集中力に影響を及ぼした。監督のメッセージは「もう1点」だが、選手は今行くべきか、どうなのか、曖昧なままプレーしているように見えた。その結果、守備も攻撃も中途半端になり、7分後、ミスから失点した。
チームの底力が試されるのは、ここからだった。
1点を取られた後、仕切り直し、追加点を奪って、クウェートにトドメを刺せるのかどうかが大事だった。試合後、東は「今日の相手なら5、6点とって相手の戦意をなくすぐらいの結果を出さないといけない」と話していたが、結果はともなわなかった。選手たちは綺麗に点を取ることを考えていたのか、泥臭く、貪欲に何が何でも1点取るという姿勢が原口以外、あまり見られなかった。
チームのポテンシャルと前半の攻勢を考えれば後半は、やや尻すぼみ感が残る。相手に息を吹き返す余裕も与えてしまった。ただ、「こんな戦いをしているようじゃアウェーでは点は取れない」と原口が言うように、第2戦に向けて各選手に「もっとやらないと!」という飢餓感と緊張感が残ったのは、プラスに考えるべきだろう。
23日のアウェーは40度近い暑さがあり、厳しい戦いになるが、今回の試合でこれまでの課題は修正され、多くのチャンスを作るなど、攻撃は機能している。怪我をしていた永井も温存できた。後半のようになんとなく戦うのではなく、試合の流れを読み、点を取りに行くのか守るのか、そのメリハリを付ける戦いができれば、2次予選突破は、決して難産にはならないはずだ。