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ブラジル代表密着記 「ドゥンガが吼え、ロビーニョが笑う」 

text by

藤原清美

藤原清美Kiyomi Fujiwara

PROFILE

posted2007/07/26 23:53

主役はやっぱりロビーニョ。

 CBF(ブラジルサッカー連盟)とヨーロッパのビッグクラブとの選手をめぐる綱引きは、長年の恒例行事。今度はレアル・マドリーのロビーニョが、その主役となってしまった。コパ・アメリカの事前合宿が始まろうというのに、リーガ・エスパニョーラで優勝争いを演じていたレアルが、最終節までロビーニョを引き止めようとしたのだ。

 板ばさみのロビーニョを思いやり、ドゥンガは最終節出場を許した。

 「我々は、レアルで控えだったころからロビーニョを起用し続けてきた。セレソンでプレーすることで、彼はあの喜びに満ちたサッカーを取り戻したんだ。今回のようなことで彼が犠牲になってはならない」

 そんな親心を知ってか、リーガ終了2日後にセレソン合流予定だったロビーニョは、なんと1日前の夕方に涼しい顔で現れた。

 「祝賀会には参加できなかったけど、優勝の喜びは十分味わったよ。できるだけ早くセレソンに合流したかったんだ」

 ロビーニョの登場は、合宿の雰囲気を一変させた。昨年のW杯までは、セレソンの末っ子だったロビーニョ。イジられてムキになり、ロナウドやロベルト・カルロスに飛びかかっていた彼も、ドゥンガが進めた世代交代で、いまや経験豊富な選手のひとりだ。

 ああ見えて、実は気配りの人。紅白戦の人数合わせのために、U-20代表の選手が数人参加していた時のこと。緊張する彼らの背中に、ピョーンと飛び乗ってはひっくり返し、若い選手たちを笑顔にさせた。

 こうしてロビーニョは、盛り上げ役の勢いそのままにコパ・アメリカへと突入。ゴールを決めまくったのだ。

(以下、Number683号へ)

世界蹴球最前線。 The Football Planet

Sports Graphic Number 683

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