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アジアカップの裏で稲本が感じる手ごたえ。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTomomi Miura
posted2007/07/26 00:00
日本代表がアジアカップの初戦を戦っている頃、アイントラハト・フランクフルトに移籍した稲本潤一はオーストリア合宿で汗を流していた。合流してまだ1週間も経っていないというのに、流暢な英語でコミュニケーションを取って、すでにFWアマナティディスやDFクリスとちょっかいを出し合う仲になっている。
「新入生的な立場は慣れているんでね。自分のやり方があるし、問題ないです」
よく日焼けした精悍な顔つきで稲本は笑った。
フンケル監督からの信頼も厚く、「戦術眼と規律を持った経験のある選手。前に攻めあがる力を持っている」と評価されている。フンケルはデビュー戦となるオーストリア3部ベッテンスとの練習試合の前日に稲本を呼び出して「どのポジションでプレーしたいか」と尋ねた。稲本は「ダイヤモンド型の中盤の底か、フラットな守備的MFのうちのひとり」と答えたという。合宿の練習でもほぼ毎回主力組に入っており、レギュラー取りは問題なさそうだ。