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空前のスピードで、
武豊が史上最多勝達成。
text by
片山良三Ryozo Katayama
posted2007/08/23 00:00
7月21日の小倉競馬最終レース。武豊騎手(38歳、栗東・フリー)が騎乗したヒシワンスモアが1着となり、同騎手のJRAでの2944勝目となった。これは岡部幸雄元騎手が56歳で引退するまで、37年10カ月という長い年月をかけて積み上げた2943勝を抜いて、単独トップに立つメモリアルウィン。現役時代の岡部騎手が全身から漂わせていた絶大な存在感を知っているオールドファンなら、僅か20年4カ月でその歴史を陵駕してしまった事実に、今更ながらの驚きを禁じ得なかったはずだ。
「プロの騎手としてのスタート台に立ったとき、岡部さんは間違いなく雲の上にいた人でした」と振り返る武豊騎手自身もその一人だったようで、「ここまで来たらいつかは達成できる記録なので焦りはありませんでしたが、そんな凄い人の記録を抜くという事実に、とてつもない重みを感じていました」と、その瞬間の心情を素直に語っている。