10月17日から開幕したグランプリシリーズ。初戦のフランス大会で、この大会がシニアデビューとなる中井亜美がショート・フリーともに1位で優勝しました。2位に坂本花織、3位に住吉りをんが入り、女子シングルは日本勢が表彰台を独占。現在の日本女子のレベルの高さを証明する形になりました。3選手の評価と、今後の展望について野口さんにじっくりお話を伺いました。
「まず、中井亜美さんは普通に天才少女なんです。14歳のときから国際大会でトリプルアクセルを跳べていましたが、ジュニア最後の年に腰を痛めて表彰台に乗れなかったこともあり、大きく報道されることが少なかったんです。でも、『やっぱり亜美ちゃん来たよね」という感じです。実力的にも、今年急に伸びたというよりは、一昨年、昨年も上手かったけど話題に上がってこなかった、という状態ですね」
中井選手がフランス大会で優勝すると、報道機関は「17歳の新星」といった形で報道しましたが、長年フィギュアを見ている側からするとある意味当然だった、と野口さんは言います。
リンクメイトの渡辺倫果と「トリプルアクセル競争」
中井選手は南船橋を拠点とするMFアカデミーの所属。ここには同じく、トリプルアクセルを武器とする渡辺倫果選手も所属しています。
「渡辺倫果さんの影響は大きいですね。彼女も今年オリンピックに出場することにスケート人生をかけています。2人で『トリプルアクセル競争』をして、どちらが先に跳べるかと競い合いながら練習しています」
伊藤みどりさん、浅田真央さんと、日本女子にとって特別な意味を持つジャンプでもあるトリプルアクセル。その大技を跳べる選手が身近にいて、切磋琢磨できることはお互いにとってこれ以上ない刺激となっています。
また、MFアカデミーは指導する中庭健介ヘッドコーチを筆頭に明るく、みんなで楽しみながら練習に取り組むチームだということも、いい方向に働いています。「寄り添い型のチームだと思います。指導するというよりは一緒にやる、という形で、選手たちの自主性が伸びていって、緊張より楽しさが出ていっているというのも今回の大舞台での結果につながったのではと思います」

坂本花織は計画通り、ここからスイッチが入るのでは
そして今回2位に入った坂本花織選手。フリーで148.03点と表示されると大きく驚き、喜びを表現しましたが、中井選手のスコアは149.08点とそれを上回るものでした。
「亜美さんのGOEが、花織さんに負けないぐらい出ていますね。PCSもシニア1年目とは思えないぐらいでした」と野口さん。しかし坂本選手に関しては「焦る必要も心配する必要もない」といいます。逆にいい刺激となって、さらなる進化をもたらしてくれそうな予感です。
ポッドキャストでは以下の話題でも盛り上がりました。
- 中井亜美に優勝をもたらした「プラス思考」
- 渡辺倫果と中井亜美の共通点
- 2戦目から問われる真価
- 住吉りをんの“驚異的”ステップを解説
日本だけでオリンピックをやりたい…と思わず言葉が漏れるほど、超ハイレベルな日本女子フィギュア界。そしてグランプリ第2戦の中国大会では、佐藤駿選手が優勝。男女ともに、今後の戦いにも注目です!(10月24日収録)
※ポッドキャストをお聴きいただけるのはNumberPREMIER会員限定で、このページ下部でご視聴いただけます。
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