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【高校サッカー選手権】山城・石塚啓次が国見との決勝戦で見せた「22分間の独壇場」とは何か?《ベテラン記者の“我が心のヒーローたち”②》

2026/01/03
誰にでも、心の中に自分だけのヒーローがいる。僅かな時間で鮮烈な印象を残した異端児から、後に日本代表へと上り詰めた守護神まで、大会を彩った名選手を目撃した執筆陣が追想する。

山城(京都)[1992 第71回]

 眩く髪を染めた長身の7番がベンチから出て来た。コンサート開演でライトが落ちる瞬間のように、スタンドがどよめく。

 大会前に右足小指を骨折した山城の石塚啓次は、準決勝までプレーをしていない。逆にチームメイトは、異端視されがちなエースを「絶対にピッチに立たせるんだ」と結束し、大方の予想を覆してとうとう決勝戦まで上り詰めた。優勝した国見には申し訳ないが、頂上決戦は石塚登場後の22分間で空気が一変した。7番が大きなストライドで疾駆し、しなやかにボールに触れる度に、嬌声、歓声、それに驚愕の声が束になって爆発する。後にも先にも、聖地に集結したファンの心をこの短時間で鷲掴みにした高校生はいない。

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photograph by Kazuaki Nishiyama

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