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【動画】「言葉を使わずに、精神的な部分で理解しあっている」ステファン・ランビエルが語る『Ice Brave』と宇野昌磨の新章「コーチになったら…」《独占インタビュー》

教え子である宇野昌磨さんが初めてプロデュースしたアイスショー『Ice Brave』に出場しているステファン・ランビエルさん。40歳とは思えぬキレのあるスケーティングに、観客を圧倒する表現力など彼の魅力を存分に感じ取れる演技を披露しています。NumberPREMIREでは、愛知公演を終えたタイミングでランビエルさんにインタビューを行い、ショーのこと、宇野さんのことなどをたっぷりと語ってもらいました。聞き手はライターの野口美恵さんです。

「昌磨から自分のショーを作りたいという話を、ずいぶん前から聞いていました。いくつかアイディアを共有してくれて、どれも全部大変おもしろいものだったので、彼のショーに出演するのはもちろん、彼がどんな雰囲気のショーを作るのかとても楽しみにしていました」

 ショーへの出演依頼を、ランビエルさんはそう振り返ります。今回の「Ice Brave」では、宇野さんがこれまで競技者として演じてきた曲が多数使われていますが、使われている曲は当時と同じでも演出やアプローチは全く新しいものになっています。

 ランビエルさんは宇野さんが競技者として最後に滑った「Timelapse」をソロで演じました。宇野さんが引退を決めた年、明確な言葉にはしていなくても、「これが最後の1年になると感じていた」そうです。競技のプログラムとしては異例の、非常に静かな曲調を選んだ理由は「最後の挨拶」つまりカーテンコールのイメージがあったと明かしました。

©️Asami Enomoto
©️Asami Enomoto

 実際、『Ice Brave』でのランビエルさんの「Timelapse」はその場の空気をすべて変えてしまうほどの素晴らしいものでした。宇野さんも「このプログラムはステファンにあげます」と笑顔で言うほど。それに対してのランビエルさんの答えは……ぜひ動画をご覧ください。

 前半のパートで宇野さんとランビエルさんは2人で「Legends」を滑りました。お互いがリンクの端と端で、ミラーのようになって滑るプログラム。難しい動きもありましたが、2人の動きはぴったりとシンクロしていました。それをランビエルさんは、2人の独特の絆を感じさせる言葉で表しました。

「わたしと昌磨は言葉を使わずに、精神的な部分でお互いを理解しているので、お互いが少しズレているときはそれがわかるし、お互いに合わせていける。例えば、ステップシークエンスでは彼もわたしが感じていることを感じているし、わたしも彼が何を感じているかわかります」

©️Asami Enomoto
©️Asami Enomoto

 師弟という関係を超えて、友人、ソウルメイトといった雰囲気も感じさせる2人。ランビエルさんに宇野さんの今後についてたずねると、「彼の次のステップがどんなものか見てみたいですし、彼が私のヘルプを必要とするならば、ぜひサポートしたいとも思います」といいます。

40歳でも3回転ジャンプを跳べる理由

 今回のインタビューで聞きたかったのは、40歳を迎えたランビエルさんの素晴らしい身体能力について。『Ice Brave』でも3回転ジャンプを何本も跳び、「いま現役に復帰しても闘えるのでは…?」と感じさせてくれたほどでした。

 ジャンプを維持できていることについて、スケートや筋力トレーニングはもちろんですが、コーチとして選手に教えることが、自らのジャンプを維持することにもつながっているのだと話すランビエルさん。コーチとしてすでに10年以上のキャリアを築いていますが、人を教えるようになり、ジャンプ、ステップ、シークエンスなど動きの一つひとつへの解像度が上がったといいます。

©️Asami Enomoto
©️Asami Enomoto

 宇野さんもインタビューの中で、他のスケーターの動きを見て「どうやったらよくなるんだろう」と常に考えていたことが「彼自身の役に立った」と答えていました。ランビエルさんは、将来宇野さんにコーチになってほしいと話します。

「初めて普通のスケーターを教えたときに、『なんでこれができないの?』って。自分にとってはものすごくシンプルなことだけれど、もしかしたらわたしにとっての『シンプル』は(他の人にとって)ものすごく複雑なのかもしれない。なので、昌磨も私と同じ経験ができたらいいなと思います、ものすごく興味深いですから(笑)」

 動画ではほかにも

  • 「Gravity」への宇野さんとランビエルさんのシンクロ
  • 「Bolero」の好きなところ
  • アイスダンスエッジで昌磨はあんなに滑るなんて…
  • アスリートとプロスケーターの違いとは?
  • 宇野さん引退時のエピソード
  • 宇野昌磨は「オンの時は完全にオンの人」。その意味は?
  • 教え子のデニス・ヴァシリエフスの今シーズン
  • アイスダンス転向・島田高志郎へのメッセージ

などなど、盛りだくさんに語っていただきました。

©️Yuki Suenaga
©️Yuki Suenaga
 

 全編を通して、ランビエルさんの宇野さんに対する「愛」を感じられるインタビューとなりました。「Ice Brave」もあと7月12・13日の新潟での3公演を残すのみに。2人の才能がぶつかり合うさまを、ぜひ現地で堪能してみてはいかがでしょうか。(6月16日収録)

(日本語翻訳:Kanoko Shimizu)

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photograph by Yuki Suenaga

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