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【動画】「部屋の温度管理も徹底するように」友野一希が苦しかった1年から得た大きな成長…“メンタルをメンタルで解決しない”の意味とは?《インタビュー》
記事ではカットされてしまった友野選手の「熱量」や細かなこだわりなどを、たっぷりじっくりとご覧ください。聞き手は数々のスケーターを長年取材し、選手からの信頼も厚い野口美恵さんです。
取材が行われたのは、8月初旬のサマーカップの翌日。友野選手はショートプログラムではジャンプのミスなどが響き8位だったものの、フリーでは全体の3位と巻き返し、総合4位でした。
「今まではシーズン初戦というと、技術的な面、ジャンプが完成していなかったりする状態で『とりあえず試合に出る』ということが多かったんです。今シーズンは技術面での心配はなく、気持ちの持っていき方…試合で自分のできることを出していくには、どれだけやっていかないといけないかをフィードバックできました」
4位だったことに悔しさをにじませつつも、シーズン初戦の手応えを語りました。

怪我に苦しむも「これはチャンスだ」
今年は4年に一度のオリンピックシーズン。友野選手にとっては3度目のチャレンジ。「どの試合も全力で臨めるようにしたいですね。リードできて悪いことではないので」と言いつつ、過去2回との違いを問われるとこう答えました。
「軸がしっかりあるので、課題が見えやすくなっています。軸がぶれていないので、今までのシーズンに比べてうまくいっているなと。フォームがちゃんと固まっているのはいいことだと感じます。4回転の成功率も上がってきているので、しっかり曲の完成度も高めていけたらなと思います」
自分のジャンプに対する理解度が高まっていると口にした友野選手。そこには、昨年の怪我の経験がありました。昨シーズンはシーズン当初から腸腰筋を痛めてしまい、怪我とつきあいながらの試合出場に。思うように点数が伸びない、結果が出ない苦しさを味わいました。
ただ、今になって思えばそれがいい経験になっているといいます。
「怪我しないほうがもちろんいいですけど、今までシーズン中の大きな怪我が少なかったので、いい経験になりました。あのときは苦しかったですが、必要な経験だったと思います。より自分の体と向き合い、洗練されて、無駄のない動きを追求することができていると思います」

怪我をしたときに、実は「チャンスだ」と思ったと、意外な心境を明かしてくれた友野選手。ジュニアの最後の年に4回転を習得するタイミングで腰を怪我してしまいましたが、その後は安定してジャンプを跳べるようになりました。
「今年は学びの年だとわかった上で行動できました。それと同時に、来年は素敵な年になるだろうなとも。2年間かけて、オリンピックに向けていい身体づくりをしていこうと思えたんです」
考え方も変わりました。それまでは「自立しなければ」「自分でなんとかしなければ」という思いが強く、一人で悩むことも多かったとのこと。それが「調子が悪いときこそ人に頼ろう」と、外側に意識を向けることで冷静に解決していけるようになったそうです。
名振付師から学んだ財産と大きな成長
昨年は「あこがれ」と語っていた振付師、ローリー・ニコルとシェイ=リーン・ボーンにはじめて依頼をした友野選手。これまで世界のトップレベルの選手を見てきた2人からは、大いに学ぶものがありました。
「ローリーは本当に世界中のトップレベルの選手を見ているといっても過言ではないです。本当のトップのトップを経験しているからこそ、『なぜ金メダルを取るような選手が、あれだけできるのか』ということを振り付けから学ぶことができました。クロス1回、2回にもすごくこだわって、一切妥協がない。すごく自分を底上げしてくれました」
自分の技術も上がったタイミングだったからこそ、トップレベルの指導をどんどん吸収できたのだとも語りました。
メンタル面での変化も、友野選手は自分なりに分析していました。特に「メンタルをメンタルで解決しない」との言葉が印象的でした。その意味はしっかり友野選手が動画で語っていますので、ぜひご覧ください。
動画ではほかにも
- サマーカップでの演技はリラックスしすぎていた?
- ジャンプを分解し、理解するということ
- 歳を重ねてきたからこそ感じること
- シェイ=リーン・ボーンのすごみ
- オリンピックを経験することで得たいもの
などなど、一つひとつの話題についてじっくり掘り下げました。
ショートプログラムに「That's it(I'm crazy)」、フリースケーティングには2年ぶりの再演となる「Halston」を携えて臨む勝負のシーズン。友野選手の今後に期待が高まります。(2025年8月12日取材)
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