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【動画】「バスケを見たこともなかった」「絶対に嘘だ」商社マンから転身…林邦彦社長が明かす集客への危機感と今秋開業の新アリーナで狙う“一体感”とは?《アルバルク東京特集④》
同志社大の体育会サッカー部で競技に打ち込み、三井物産入社後も社業と並行してサッカーを楽しんできた。仕事面では海外法人の副社長や子会社の役員を歴任していた商社マンに、「思わぬ話」が届いたのは2015年末のこと。
「トヨタ自動車が新たに会社を設立して、2016年に開幕するBリーグを戦っていくので、その会社の社長をやってもらえないかと。絶対に嘘だと思いました」
アルバルク東京の林邦彦社長は、オファーを受けたときの率直な気持ちをこのように述懐します。
取締役を務めた三井物産フォーサイトでは、プロ野球の複数球団のスポンサーシップマーケティング業務に従事し、スポーツビジネスの経験は持っていました。ただ、球団の中にいたこともなければバスケットや業界の知識もほとんどありません。
これは自分にできる仕事ではない──。そう判断した林社長はこれを固辞したものの、相手方は引き下がりません。何度かの押し問答を繰り返した末に、「人生でこれだけ『ぜひ』と言っていただけることもない」とチャレンジすることを決意しました。

ほとんどがお互いに面識のない11人の社員と、バスケットボール門外漢の社長の協働が始まったのは、2016年6月1日。記念すべきBリーグ初年度の開幕戦がわずか3カ月後に控える状況で、林社長はまず、ノウハウを持った社員たちに教えを請うところから自らの仕事をスタートさせました。
また、所属社員の「意識高揚」を最大の目的としていた実業団チームから、ファンやスポンサーなどより多くの人と関わるプロチームに生まれ変わった組織を動かす上で、林社長が特に意識したのはスポーツビジネス界に蔓延する「やりがい搾取」の改善。「好きなことに関わっている」という事実に甘えて、生産性を度外視したり、ライフワークバランスを崩すことは、ビジネスとして正しいあり方ではないと考えていたそうです。
「売り上げを作って、収益を出さなければいけないということ。そして誰がお客様なのかををしっかり認識すること。『チームが勝ったらバンザイ』で終わっていてはいけないんです」
言葉に力を込めた林社長は、一流のビジネスパーソンならではの視点で、これまでアルバルクが実践してきた興味深い具体例について話してくれました。

この動画では他にも以下のようなことについてうかがっています。
- Jリーガーよりも試合に出ていた“サッカーリーマン”時代
- ルカ・パヴィチェヴィッチHCに学ばされたプロのあり方
- 千葉ジェッツ戦で最多観客動員数を更新できたわけ
- 企業と未来の顧客をつなぐスポーツ興行のポテンシャル
- 「勝利」と「人気」の両輪を回すには?
- 今秋開業「TOYOTA ARENA TOKYO」の魅力とクラブの今後
社長就任当時、無意識に「Bリーグ」を何度も「Jリーグ」と言い間違え、当時のチェアマンからたしなめられたと苦笑する林社長ですが、現在は、開幕当初から在任する数少ないクラブ社長として腕をふるい、チームを「なんとか優勝させてあげたい」と熱い思いを寄せます。リーグ屈指のビッグクラブのトップの人柄や戦略が垣間見える、貴重な約40分の動画インタビュー。ぜひご覧ください。(4月6日取材)
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