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【動画】「まだ信じられません」日本代表デビュー戦で2桁得点…田中こころ19歳の中で進化する“PGの概念”とは?「宮崎早織さんのように…」《ENEOSサンフラワーズ》

 気になるバスケットボールチームの、強さの秘密やカルチャーにフォーカスしていく動画インタビューシリーズ「Basketball Boice」。今回登場するのはWリーグ・ENEOSサンフラワーズの田中こころ選手です。今夏日本代表デビューを果たし、7月のFIBA女子アジアカップ2025ではベスト5に輝いた田中選手。19歳が語る飛躍の理由、ターニングポイント、そしてWリーグ後半戦へ向けての思いとは?


 6月7日、コーリー・ゲインズHC体制初戦の台湾戦。19歳の田中こころは先発でA代表デビューを果たした。開始13秒にいきなり3Pシュートを沈め会場をどよめかせ、この試合で10得点。台湾との2連戦ではMVPにも輝いた。

「びっくりでしたね。アジアカップの最終メンバーに選ばれたときは信じられなかったというか……今も信じられないというか(笑)。最初はスター選手たちのなかで自分がやっていいのかと感じたりもしました」

 試合では緊張することはあまりないという。7月のFIBA女子アジアカップ2025では6試合中5試合で2桁得点を記録し、ベスト5にも選出。代表のなかでは最年少だったが、実力者揃いのメンバーのなかでも堂々たるプレーで存在感を発揮していた。

 だが、コートで躍動していた彼女も大会序盤にちょっとした壁にぶつかっていたという。

 所属チームのENEOSサンフラワーズではシューティングガードを務め、スコアラーとしての役割が多かったが、アジアのトップを目指してほしいという指揮官、ゲインズHCの思いから、代表ではポイントガード(以下PG)として起用。当初は、パスを捌くことが役割だという概念に強くとらわれすぎて、試合では「パスのコースばかり探してしまい、自信をもってリングに向かえていなかった」と猛省する。当時を「人生で初めてというくらい、心が折れそうになりました」と振り返る。

 自身を見失いそうになっていたときに〝処方箋〟となったのが、ゲインズHCの言葉だった。

「『(PGは)パスだけをするポジションではないし、ドライブでもなんでもできるポジションだから、君らしいプレーをしなさい』『自由にプレーしなさい。正解なんてないのだから』と言ってくれたんです。それから思い切って自分らしいプレーができるようになりました」

Takuya Sugiyama
Takuya Sugiyama

毎試合20得点取るくらいの気持ちで

 代表での経験は10月に開幕したWリーグ自身2シーズン目にも生きているという。これまで同様アグレッシブに攻めること、得点を狙う姿勢は変わらないが、これまで以上に「残り時間や得点を見ながらセットオフェンスのコールをかけるようになりました」と試合の中でPGとしての自覚も持つようになった。

 代表での活躍もあり、今季、Wリーグでは他チームからのマークもより一層厳しくなった。1対1のディフェンスは昨季以上に「強くなった」と実感している。

「これまではボールをたくさん持てていたんですが、今季はそれができない時間帯が増えてストレスを感じることも多々あります。ただ、そういった状況のなかでもできることは絶対にあると思います。それを試行錯誤しながら見つけていきたいですね」

 今季、所属チームを率いるティム・ルイスHCからは毎試合20得点を求められている。現状、それを達成できてはいないが、田中は悲観的には捉えていない。

「今季は簡単にプレーさせてもらえていませんが、実力者がそろうトップの世界ですから。でも、自分に対するマークが厳しいのであればまわりを活かすとかできることはたくさんあると思います。

 毎試合20点取るのは本当に難しいこと。でも、それくらいの気持ちでリングにアタックしろというメッセージだと解釈しているんです。だから必要以上にプレッシャーを感じず、リングに向かうことを心掛けながら毎試合挑んでいきたいですね」

 身近にはいいお手本がいる。チームをけん引する司令塔で代表での経験も豊富な宮崎早織だ。

「宮崎さんのように私がボールを持ったら絶対点が取れる、そんな選手になりたいです」

 チームの絶対的存在になるために自分は何をすべきなのか――。ときには少し立ち止まりながらも、前だけを向いて田中はチャレンジを続けていく。

Kiichi Matsumoto
Kiichi Matsumoto


  動画では以下のような話題について語っています。

  • 誰にも負けない武器を作るために
  • 運命を変えた桜花学園への入学
  • 対戦して凄みを感じた町田瑠唯の●●とは?
  • 田中を抜擢したコーリー・ゲインズHCの言葉
  • リングにアタックするマインド
  • 3Pシュートのお手本はあの選手!
  • バスケットボール人生最大の挫折
  • 目標である2028年ロス五輪への思いとは?

 19歳ながらも先輩にも物おじしないメンタルを持つ田中。バスケ女子日本の未来を背負う19歳の率直な思いが詰まった約30分間のインタビューをご覧ください。

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photograph by Takuya Sugiyama

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