
2024年シーズンまでに2万787人のメジャーリーガーが誕生した中で、現役10年、引退後5年以上の条件を満たした上で、殿堂入りの栄誉を手にした選手はわずか278人。全体のわずか1.3%の狭き門だ。また、昨季までにメジャーリーグに在籍した日本人選手は73人に及ぶが、野球殿堂入りの資格を有したのは、野茂英雄、松井秀喜、イチローの3人しかいない。
野茂は'14年に資格を得たが、その際に全米野球記者協会(BBWAA)の記者が投じた票はわずか6、得票率にして1.1%だった。'18年の松井も4票、0.9%。得票率5%に満たない者は、BBWAAの記者投票による候補者から除外されるため、2人は資格を失った。
だが、それでも彼らが残した功績は日本人として実に誇らしい。
1995年に日本人選手のパイオニアとしてデビューした野茂は、直球とフォークボールの2つの球種でナ・リーグ最多の236三振を奪い、13勝6敗、防御率2.54の成績でドジャースの地区優勝に貢献し、新人王にも輝いた。その活躍はストライキでファン離れが深刻だったメジャーリーグを救ったと評価され、『NOMO MANIA』なる言葉も生まれた。
野茂「無理に決まってるじゃないですか」
その彼が'08年の現役引退までに残した成績は、12シーズンで123勝109敗、防御率4.24。この間には'96年に「打者天国」と呼ばれる標高1600mのデンバーにあるクアーズ・フィールドで行われたロッキーズ戦と、レッドソックス移籍後の'01年のオリオールズ戦で2度のノーヒッターを演じ、当時史上4人目となる両リーグでの無安打無得点試合の快挙を達成。当時はBBWAAの記者たちからも殿堂入りの可能性が論じられたほどだった。

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