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「オリンピック後の目標は5回転を決めること」“4回転の神”イリア・マリニンが語る「4回転7本」成功の理由と羽生結弦への畏敬の念「ユヅは僕にとって、一番のアイドルですから!」《特別インタビュー》

 ミラノ・コルティナ五輪の前哨戦ともなる、今季のグランプリ(GP)ファイナル(12月4~7日、名古屋)。そのフリーで、イリア・マリニン(米国)は4回転7本という孤高のプログラムを成功させ合計332.29点で優勝した。五輪の金メダルに最も近い存在と言われるマリニンが、偉業達成の翌朝、その胸中を語った。
 聞き手は数々のスケーターを長年取材し、海外選手からの信頼も厚いライター野口美恵さんです。

――昨日は驚異的な演技でした。一夜明けてのお気持ちは?

「今日は体中が痛くて、疲れが抜けていません。でもそれだけの価値がある、人生で最高の演技の一つになりました。ただ、プログラム終盤は辛抱強く耐えたという感じで、ジャンプ大会みたいな感覚もありました。今は採点表を見返して、多くのフィードバックを得ています。演技構成点(PCS)は、まだ物足りないものでした。オリンピックまでの数カ月間、その改善点に取り組み、さらに演技を磨けると思うと本当にワクワクしています」

Yoshie Noguchi
Yoshie Noguchi

――昨季のGPファイナルで初めて「4回転7本」に挑戦しました。その時は回転不足の判定でしたが、この1年でどんな改善を図りましたか?

「去年のGPファイナルでは、その前の3カ月間の練習で、7つのジャンプすべてをクリーンに決められたのはほんの数回だけでした。なので、去年はまだ自信が持てていない状態で本番に臨んでいました。でも今年は、毎週のように曲かけ練習でパーフェクトの滑りができる日があり、この大会でやり遂げる自信がありました」

――「4回転7本」はどれくらいの頻度で練習していますか?

「毎日です。毎日、7本すべてのジャンプを入れて曲かけをします。成功のためには、それが必要です。調子の悪い日もあれば、良い日もある。それでも1つ1つのジャンプはもう何年も練習してきているので、それぞれの最適なポイントは分かっています。6種類7本跳ぶことが当たり前に感じるくらい体に染み込ませてきました」

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photograph by Asami Enomoto

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