「井上拓真選手を一対一で取材をするのは、今回初めてだったんです。どうしてかというと、どうしてもお兄ちゃん、尚弥選手に関係ないことで取材をしたかったんですよ。これまでも拓真選手の試合は何試合も見てきましたし、試合レポートみたいなものを書いてきました。でも、一対一での取材は、お兄ちゃんとは関係なく、井上拓真というボクサー自身を描くときにしたかったんです」
こう語るのは東京新聞記者・森合正範さんです。
森合さんは、井上尚弥に敗れた対戦相手たちを描いた『怪物に出会った日』を昨年10月に上梓されているノンフィクション作家でもあり、発売中のNumber1097号「井上尚弥と日本ボクシング黄金時代」では以下2本の記事を執筆していただきました。
【追憶ノンフィクション】井上拓真/田中恒成/ユーリ阿久井政悟「最強世代が覇を争った高校3年間」
この2本の企画が持ち上がった経緯、取材・執筆の舞台裏、そして書き手としての思いについてたっぷりと語っていただきました。
現世界王者3名の「高校時代」について取材した1本目の記事については、冒頭のように井上拓真選手への思いを明かしつつ、実際の取材ではゾクッとする言葉に出会ったそうです。
「取材対象から意外な言葉だったり、思いがけない言葉が出ると、ゾクッとすることがあるじゃないですか。まさに拓真選手が『孤独』と言ったときは、それでした。そう感じていたんだ、という。その言葉が私にはすごく入ってきて、聞いたときに絵が思い浮かぶような感じがしました。体育館の隅で、お父さんの真吾さんと2人でやっているというか」
また、薬師寺・辰吉戦から30年経った松田ジムの記事についても、『怪物に出会った日』に登場する佐野友樹さんとのエピソード、原稿の構成で悩み、工夫したことなどたっぷり語っていただきました。
ボクシングを愛し、ボクサーに寄り添いつつ、自分の視点を忘れずに拳をぶつけ合う男たちを描いている森合さんの言葉、ぜひお楽しみください。
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なお、森合さんの著書『怪物に出会った日』を著者サイン入りで3名にプレゼントする企画を実施中。累計発行部数が4万部を超え、ボクシング好きだけでなく、多くの作家からも称賛されている傑作ノンフィクションを未読の方はぜひご応募ください。〆切は6月19日(火)です。
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