ワイヤーの先に鈍く光る4kgの鉄球。19歳の村上来花がハンマーと出会ったのは中3の夏だった。
短距離選手として全中を終え、顧問の勧めで投げてみることに。
「周りのみんなが結構苦戦してるのを見てたんですけど、やってみると『え、自分案外飛ぶやん』って」
スローワーとして開花した瞬間だった。「高校に入って短距離とどっちをやるか迷ったんですけど、投擲の方が練習が楽かもって思って投擲にしました(笑)。そしたらめちゃくちゃきつい!」
2時間ひたすら投げ、ウェイトで身体にダメージを与え続ける日々。厳しい練習の成果はすぐに出始めた。青森・弘前実業高校で高1歴代最高記録を更新。高2で高校生女子として初めて60mを投げ、高3で日本選手権銅メダルに輝いた。
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photograph by Yudai Emmei