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[HRダービーの死闘を振り返る]ソト「いつかまた、競演を」

2021/09/10
延長に次ぐ延長――。夢舞台での対決は、のっけから稀にみるデッドヒートとなった。大谷とアーチを競った22歳のスラッガーがエキサイティングな舞台裏を振り返った。

「おい、ピッチャーに負けるのか!」

 そんな挑発に、ワシントン・ナショナルズのフアン・ソトは闘志をかきたてられた。声の主は、当時チームメートだったマックス・シャーザー。3度のサイ・ヤング賞に輝いた右腕は、ナショナル・リーグの先発投手として大谷翔平と投げ合う翌日のオールスターを前にリラックスして、いたずらっぽくソトを煽っていた。

「かなり緊張していたけど、タイムアウトでベンチに戻ったらマックスから挑発されて気持ちが切り替わったよ。あのメジャー屈指の投手にそんな風に言われたらもう、気合を入れて戦うしかないだろう?」

 ホームランダービーは、8人のスラッガーが参加しトーナメント方式で争われる。第1ラウンドは4組。大谷とソトの対戦は前半戦の本塁打数による組み合わせだ。組み分けが発表された7月7日の試合前の段階で大谷は31本で1位。ソトは10本で8位。その差は21本あるが、ソトは決して容易い相手ではない。19歳でメジャーデビューした2018年には本塁打22本、翌年は34本と数字を伸ばした。コロナ禍により60試合となった昨シーズンは、打率.351でナ・リーグ首位打者と、長打率タイトル(.695)を獲得。13本塁打を放った。

 今シーズンの前半戦は打撃不振に陥っていたが、大舞台での勝負強さには定評がある。'19年のワールドシリーズでは、27打数9安打、3本塁打でナショナルズを世界一に導いた。22歳のドミニカンは、ダービーの時の心境をこう振り返った。

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photograph by Getty Images

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