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【独占直撃】「身体をムチのようにしならせるんだ」165km右腕、ジェイコブ・ミジオロウスキーが明かす‟豪速球の極意”《大谷翔平に抱くライバル心とは?》

2025/08/08
突如、メジャーに現れ、100マイルを連発。鮮烈なデビューを飾った細身の右腕はどのように豪速球を投げているのか。その才能と綿密な育成計画に迫った。(原題:[新怪物を直撃]ジェイコブ・ミジオロウスキー「23歳、165km右腕の正体」)

 114球。

 メジャーデビューから7試合で100マイル超えした直球の数だ。最速は102.4マイル(約164.8km)で、100マイル超の球で許した安打はわずか1本だ。

 ジェイコブ・ミジオロウスキー。

 今季、彗星のように現れた怪物投手は、毎登板、メジャーの選手たちに名刺がわりの豪速球を投げている。

 対戦前に相手はデータを研究し、100マイル超の直球が来ることを分かってはいる。しかし、それをファウルにするのが精一杯だ。

ユニークな投球フォームは16歳の時に考案

 右腕が自分の才能に気付いたのは、高校1年生の時だ。

 それまでは肩の強さを買われ、捕手と投手を兼任していたが、投手一本に絞ると一気に頭角を現した。

「高校1年で身長が180cmを超えていたので、それを活かす方法を考えた。捕手をしていた影響もあって身体が柔らかかったので、投げるときに身体をムチのようにしならせる感覚を自分で掴んだんだ」

Shizuka Minami
Shizuka Minami

 類稀な柔軟性を生かし、身体を捻りながら、前に突っ込み、腕を最大限まで伸ばして球をリリースする。16歳の時に考えたそのユニークな投球フォームによって、100マイルはさらに速さを増す。

 リリースする際の腕の伸長のことを「エクステンション」と表現するが、ミジオロウスキーの平均エクステンションは約2.3mで、メジャー平均より0.3m以上も長い。日本語では「球持ちがいい」と表現することもあるが、リリースが遅ければ遅いほど、打者が球を見られる時間が減り、打者の体感速度は増す。

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photograph by Yukihito Taguchi

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