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「誰よりも練習してきた」深田茉莉が明かす中国の山での“涙の合宿”と村瀬心椛へのあふれる感謝「先陣を切っていろんな技を…」《最年少ヒロインインタビュー》

2026/03/02
決勝3本目で高得点を叩き出し、後続の猛追を受けながらトップを死守。日本の歴史を塗り替える、19歳の若き金メダリストがリビーニョで生まれた。なぜ勝てたのか――その問いに対し彼女は、恩師とライバルへの感謝を挙げた。(原題:[最年少ヒロイン誕生]深田茉莉「誰よりも練習してきた」)

 予選7位から逆転で金メダルをつかんだ。大会終盤の2月18日に行われたスノーボード女子スロープスタイルで白銀のヒロインになったのは深田茉莉だった。

 この種目を制したのは男女を通じて日本初。また、19歳48日での優勝は冬季五輪の日本女子選手史上最年少だ。

「信じられない。頭が真っ白になりました」

 優勝の瞬間は驚きを隠せなかった。不本意な9位で表情を曇らせたビッグエア。その悔しさを力に変えての金メダル。

「ビッグエアでは自分のやりたいことができず、とても悔しい思いをしました。だからスロープスタイルでは諦めずに、今までやってきたことを出し切ろうと思いました」と満足げに笑った。

 決勝は1本目9位と出遅れたところからの逆転でもあった。3本滑った内の最も高い得点で競うスロープスタイル。深田は1本目のジャンプセクションでミスをしたスイッチバック1260(3回転半)を、2本目ではあえて使わない選択をした。回転を落として2回転半にとどめることで、確実に点を出そうという意図だ。

 これが奏功して85.70点を出すと、勝負の3本目には1本目でミスした3回転半に再び挑み、成功した。得点は87.83点。この時点でトップに立つと、後から滑った選手に抜かれることなく金メダルが決まった。

 19歳とは思えない冷静な判断が光る試合運びだった。女子スロープスタイル決勝は悪天候により1日延期しての開催。前日の積雪の影響が残り、コースコンディションが決して良くない中で、「風や、板の走り方で技を決めようと思っていました」と言うように、状況を見極める観察眼も素晴らしかった。

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photograph by Nanae Suzuki / JMPA

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