#1094
巻頭特集
記事を
ブックマークする
《独占告白》「今、進むべき道だった」スタンフォード大進学・佐々木麟太郎が語った“長期的な人生観”とは?「『海舟』に改名しようかって」
2024/04/23
高校野球の常識を覆す決断に、誰もが驚いた。それでも、本人には明確な人生設計がある。花巻東高の卒業式の前日、最後の制服姿で目の前に広がる可能性について語った。(原題:[スタンフォード大進学の決意]佐々木麟太郎「今、進むべき道だった」)
「これ、デカいですよ。採寸して、ちょっとゆとりを持って作ってもらったので。サイズ的には……5Lぐらいだと思います」
目尻を下げてクスッと笑う。そして、身長184cm、体重113kgの肉体を包み込んでいる高校の制服に優しく視線を落とす。彼が昨夏の甲子園よりもずいぶんと締まった顔でそう語ったのは、花巻東高の卒業式前日のことだ。ふとした時に素顔を見せてくれる佐々木麟太郎は、昂る胸の内をちょっとだけ覗かせ、それでいて冷静に、これから過ごすアメリカでの日々を想像して言うのだ。
「楽しみですね。失敗するのも楽しみ。失敗に対しての恐れはないですし、失敗から学ぶべきものもある。すべてがプラスになればいいと思っています」
カリフォルニア州に本部を置く名門・スタンフォード大学へ進む。年間約5万8000ドル(約870万円)とも言われている同大学の学費、そして寮費なども含めた総費用が全額免除されるフルスカラーシップでの入学は、大きな話題を呼んだ。野球ではカレッジ・ワールドシリーズに何度となく出場して、これまでメジャーリーガーも輩出している同大学は、優秀な学生が受験して、合格率がわずか3%台と言われる世界最高峰の大学として知られる。ノーベル賞にチューリング賞の受賞者は数知れず。アメリカ合衆国大統領も輩出した極めて教育指標が高い大学への進学に、世間では懐疑的な声も聞こえる。
「勉学は大丈夫か?」
「成功するのか?」
批判めいた言葉を並べ立てられる現実を、麟太郎自身はどう受け止めているのか。
全ての写真を見る -3枚-
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Naoki Muramatsu