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【動画】「役割は終わったという声も」大後栄治が語る“学生連合チーム”の奥深さと箱根駅伝の未来「青学大・原くんは旗振り役、僕がブレーキ役として…」

2026/05/26
 動画インタビューの連載「駅伝監督」に、箱根駅伝の歴史に名を刻む名将で、現在は関東学生陸上競技連盟の副会長を務め、テレビ中継の解説として大会のスポークスマンとしての一面も持つ大後栄治さんが登場。10月にスタートするドラマ『俺たちの箱根駅伝』の陸上競技指導・監修も務めており、多様な角度から大会の持つ可能性を考え続けている。その大後先生に、学生スポーツらしさを保持しつつも、時代に合わせた変化をする箱根駅伝の未来について、じっくり話を聞いた。
<『俺たちの箱根駅伝』にランナー役で出演する林裕太さん水沢林太郎さんの動画も公開中。また大後先生がドラマ演技指導の裏側や撮影現場での秘話を語ったYouTubeはこちらで公開中だ>

「本当は自分のチームで出たかったんだけども、予選会で負けて出られなかった。その上での『敗者復活戦』のような捉え方をするのであれば、その役割は終わったというのも考え方のひとつなんですよ。だけど僕はそうじゃなくて、いろいろな事情があってチームで強化ができない学生もいるわけですし、強化(方法)の多様性ということまで考えていきたいんです。単独チームも、連合チームで出る選手も、お互いをリスペクトすれば今でも存在意義があるなと思っているんですよ」

 1997年、1998年、神奈川大学を率いて箱根駅伝を連覇した大後栄治。その名将が熱く存在意義を語るのが、箱根駅伝に出場する「関東学生連合チーム」についてだ。過去にこのチームで箱根駅伝を走った選手にはプロランナー・川内優輝やパリ五輪マラソン代表・小山直城などがおり、東京大学や慶應大学などチームとしての出場は厳しい大学に所属する選手も晴れ舞台で走る希望を見出している。

「関東学連選抜」と呼ばれていた時期もあり、選手の選考方法なども時代によって変わってきたが、昨年度から以下2種類の枠から合計16名が選出される方式が取られている。組織として強化する大学を優先しつつも、より明確な選考基準となった印象が強い。

1. チーム枠(10名):予選会で総合11位〜20位だった落選大学10校に「各1枠ずつ」が与えられ、各大学内で上位選手が選出される。 

2. その他個人枠(6名):予選会で総合21位以下だった各大学から1名を上限とし、予選会の個人順位上位者から6名が選ばれる。

 大後が陸上競技指導・監修を務めているドラマ『俺たちの箱根駅伝』(日本テレビ系で10月スタート)の原作小説で、池井戸潤がその人間模様を含めて魅力的に描いているのもこの関東学生連合だ。大後は若い俳優たちのオーディションにも立ち会い、ランニングフォームを採点。そして撮影を始める前には選手役の俳優を前にミーティングも開き、短期的なチームの難しさ、存在意義、過去のエピソードなど、多くのことを語ったという。

「僕が監督時代に使っていたミーティングの資料なんかも配布してね。箱根駅伝とはどういうものかをしっかりと理解して欲しかったんです。あれは、監修者としてではなく、ほとんど監督として話をしたと言ってもいいです。俳優たちをキャストじゃなくて、選手として扱ってきたから、練習でも容赦なくできなたのかもしれませんね(苦笑)」

 大後は一度だけ、実際に連合チームを率いたことがある。2010年のことだ。神奈川大学はチーム内でインフルエンザが蔓延した影響で予選落ちの屈辱を味わっていた。

「僕は指導者を35年やって、2回、箱根駅伝に出れていないんですよ。その時はもう、自分の存在意義がなくなる。本当に『何のためにやってきたんだろうな』、『何のために俺は存在するんだろうか』って。箱根駅伝に参加していない神奈川大学も、自分も想像できないわけです。そんな精神状態の時に、連合チームの監督をやれと言われても、正直、『マジかよ。大変だな』って思うわけです」

 その時の神奈川大の選手、そして連合チームの経験はどう指導者としての糧になっているのか。現在も続けているという、全日本大学駅伝での「日本学連選抜」の監督として経験した、選手との心温まるエピソードを含めて貴重な経験を話してくれた。

改革者・原晋の魅力とは?

 池井戸潤の小説、そして日本テレビのドラマで取り上げられること自体、「箱根駅伝」という舞台が持つ魅力、歴史と伝統、そして人気を裏付けているとも言えるだろう。では、大会を主催する関東学連の幹部の1人として、その未来をどう考えているのだろうか。2024年度から青山学院大学・原晋監督が「箱根駅伝対策委員長」に就任し、旗振り役として進めてきた改革は、その方向性の一端のようだ。

「原くんは言葉の力があるし、(箱根駅伝の)最高のセールスマンだと思いますよ。ただ、ブレーキをかけることもありますよ」 

 どんな時にブレーキをかけているのか。このインタビュー動画ではそれを含めて、以下のトピックについても話をしてもらっている。

  • 指導者として抱いていた「得体の知れない自信」
  • 東大、筑波、慶應の学生が走ることの意味
  • 「駅伝対策委員長」の仕事とは?
  • 箱根駅伝にここまで魅せられた理由「日本テレビの中継が」
  • 原晋が率いた2008年の学連選抜はなぜ4位になれたのか
  • 改革者・原晋の魅力とは?
  • 学生スポーツとしての「謙虚さ」は失われていないか
  • 俳優たちの本気とドラマ完成度への太鼓判
  • ドラマで伝わるのは「人間的な営みの本質」
  •  

 大後の言葉を聞いていると、ドラマ『俺たちの箱根駅伝』への期待が大きく膨らみつつ、100年以上続く襷リレーになぜ人々が魅了されるのか、その根源的な理由が見えてきた。大会の本質を見つめた40分弱のインタビュー、ぜひご覧ください。

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photograph by Nanae Suzuki

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