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「立った瞬間に勝ちを確信」“金メダル第1号”木村葵来が明かす“一番の武器”と男子ビッグエア史上最強メンバーへの想い「決まっていれば僕が2位に…」《特別インタビュー》

2026/03/02
ニッポンに金メダル第1号をもたらした五輪初出場の21歳。彼のストロングポイントは、他競技で培った強靭なフィジカルと抜群の運動神経と言われているが、もう一つ武器を備えていた。それは、勝利に必要なものを的確に見抜く緻密な観察眼である。(原題:[丸刈りの勝負師]木村葵来「金メダルへのテイクオフ」)

 空前のメダルラッシュ。その流れを作ったのがスノーボード男子ビッグエアの木村葵来(きら)だ。開会式の翌日(2月7日)に今大会の日本人金メダル第1号が誕生したインパクトは絶大で、競技の垣根を越えて日本選手全員を大いに刺激した。

 全競技を終え、リビーニョを離れる直前の木村を取材すると、丸刈りと笑顔がさわやかな21歳は、メダルの色を左右する分水嶺を冷静に見極める勝負師だった。

 予選を3位で通過した木村は、12人による決勝の1本目に「バックサイド1980(横5回転半)」を高い完成度で成功させた。転倒する選手が多い中、抜群の出来映えで89.00点を出し、首位発進。

「心掛けたのはオリンピックの舞台でも、W杯と変わらずに自分のやるべきことをやるということです。思った以上に点が出たなと感じる良いスタートを切れました」

 2本目はスイッチバックサイド1800。これは15.00点にとどまった。

「19(5回転半の技)を狙っていたのですが、テイクオフの抜けがうまくいかなくて持って行けず、着地も失敗。でもそのミスさえ修正できれば19もできるし、着地にもつながる。3本目はそれだけを考えていました」

 超高難度時代に突入しているビッグエアで、トリックの成否を分ける最大の要素はテイクオフだと木村は言う。

「ライン取りをするタイミングがあるのですが、そこが少しでも早かったり遅かったりすると力がうまく伝わらず、回したい回転数もできないし、力みも出ちゃって着地にもつながらないんです」

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photograph by Nanae Suzuki / JMPA

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