#1124
巻頭特集
記事を
ブックマークする
《追悼》「僕のイメージでは打率10割です」V9巨人でなぜ長嶋茂雄は“特別な存在”だったのか?「川上哲治監督から罰金を命じられて」《証言:高田繁、柳田真宏》
2025/07/24
半世紀以上が過ぎても、その金字塔は燦々と輝き続ける。不動の四番サード、長嶋茂雄は空前絶後の9年連続日本一を成し遂げたチームに、いったい何をもたらしたのか――。彼と同じフィールドで戦った往年の選手たちを訪ねると、“いかにも”な逸話と、意外な見立てを明かしてくれた。(原題:[歴史的偉業の背景]1965-73 V9を支えた「体感10割」)
「プロ野球選手というのは結果がすべて。ホームランにしても打点にしても、王(貞治)さん、張本(勲)さんをはじめ、長嶋(茂雄)さんよりも数字を残している選手は何人もいます。それでもミスターがこれだけ人気なのはどうしてだと思いますか?」
1968年にプロ入りし、V4からV9までレフトのレギュラーとして長嶋のプレーを間近に見てきた高田繁。彼に「V9時代の長嶋茂雄について伺いたい」と告げると、逆に質問された。高田の答えはこうだ。
「それはね、ファンはもちろんチームメイトが“頼む、ここで打ってくれ!”という場面で、100%打ってくれたからですよ」
データを調べるまでもなく「100%打ってくれた」事実はない。それでも、迷いのない口調で高田は続ける。

「もちろん、そんなはずはないんだよ。でも、本当にみんなの期待を裏切らないバッターだった。天覧試合、オールスター、日本シリーズと、ビッグゲームになればなるほど確実に結果を残している。僕のイメージでは打率10割なんですよ。“バカじゃないか?”って思われるかもしれないけど、それぐらい勝負強かったんだから」
その姿は、熱烈なジャイアンツファンが「オレが見ていたら長嶋は必ず打つんだよ」と無邪気に語っているようだった。
「何を言ってるの、僕はファンの人たちよりもっと間近で見ているんだよ。“絶対勝ちたい!”というときに、長嶋さんは必ず打ってくれるんだから」
身振りを交えて高田が力説する。チームメイトから絶大な信頼を寄せられる勝負強さこそ、長嶋の最大の持ち味だった。
特製トートバッグ付き!
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by AFLO
この連載の記事を読む
記事


